サンテティエンヌなどでプレーした元プロサッカー選手の父親を持つ、ニースの下部組織出身のフランス人ストライカー。
強靭な身体能力を持ち、あらゆるパターンでゴールを奪う得点感覚に優れている。持ち味のダイレクトプレーでも特にヘディングが強く、対人戦から独力でシュートまでもっていく力強さで高い決定力を誇っている。
モデストは2018年の夏に中国の天津天海(当時のチーム名はまだ天津権健だった)を退団し、無所属となった後に秋に再び古巣のケルンに加入しました(^^♪
モデストの中国移籍におけるいざこざについては当時は日本でもよく報じられていました。
モデストはケルンとは桁違いのVIP待遇につられて中国へ行ったと周囲は言いましたが、騒動自体はようは契約に関するクラブ間や代理人の小細工が原因であり、それが報道では家族の問題などにも及んだりと何がなんだかわからない複雑な話になってしまいました(^^;)
ここで説明すると長くなるので興味のある方は調べたほうが早いでしょう。
ただ、最終的に中国の天津権健が出たがっていたモデストの退団と移籍を妨害した形になったのは事実であり、残念ながらモデストの中国移籍は結果的にキャリアに傷をつけたなと個人的には思っています(>_<)
ちなみにモデストは天津権健のクラブ史上最高額の3000万€超えで獲得した選手ですが、それに次ぐ2番目の2000万€で獲得したのがベルギー代表のヴィツェル(現ドルトムント)でした。
他にもかつてクラブW杯でスター候補と称された元ブラジル代表のアレシャンドレ・パト(現サンパウロ)も天津権健でモデストとヴィツェルとともにプレーしていました。
モデストはケルンに復帰して2シーズン目、トータルだと4シーズン目を迎えています。
晴れて中国から解放されたモデストにはいろんなチームが興味を示していましたが、大方の予想通り古巣のケルンで決まりました。
とはいえ復帰初年度のケルンは2部でしたが、もはやモデストにとってカテゴリーは関係なかったですね(^^;)
モデストが加わる3か月ほど前のケルンは、降格組として夏にかなり有力な選手の放出があって、よく1年でブンデスリーガに復帰できたなと感心しました(^^;)
そのとき失った選手の名前をあげていけば、ヨイッチ(現バシャクシェヒル)、ドミニク・ハインツ(現フライブルク)、クリュンター(現ヘルタ)、ビッテンコートと大迫勇也とクラウディオ・ピサーロ(現ブレーメン)と各ポジションのトップクラスの選手が引き抜かれました(>_<)
さらに驚いたことに大迫とピサーロを失ったのに代わりのFWはまったく補強できませんでした。
まるでその数か月後にモデストが来ることが決まっていたかのようにFWだけは補強しなかったんです(^^;)
まぁしかし残念ながら、そんなチームを救って1部昇格に導いた立役者はモデストではなく、得点王に輝いたエースのテロッデとそれに次ぐジョン・コルドバの爆発的な得点力だったというオチもつけておきましょう(笑)
テロッデとコルドバで約50点決めましたからね♪
今季のアントニー・モデストのポジション争いについて
まだ就任して2カ月ほどのギスドル監督も、前任のバイアーロルツァー監督と戦術や志向は違ってもベースとする基本フォーメーションは似ています。
シンプルな4-2-3-1や4-4-2といったバランスの取れた構成が多いと思います。
31歳 テロッデ
31歳 アントニー・モデスト
28歳 ウート(ドイツ代表)
負傷離脱:2019/12/11~
26歳 ジョン・コルドバ(コロンビア代表)
26歳 シンドラー
合計 5名
若手のウインガーは何人かいるけど、システム的にサイドハーフになるのでFWのリストからは外しました。
今冬入ったばかりのウートを入れてやっと5人という少人数です。
昇格に貢献したテロッデとコルドバへの信頼が厚かったのか、夏の時点でFWの補強はほぼありませんでした。
シーズン前半戦
ケルンの開幕5試合の相手はドルトムントとバイエルンを含むブンデスリーガ屈指の攻撃力を持ったチームばかりだったため、スタートダッシュは単純に力でねじ伏せられました(>_<)
モデストの1トップでまずはケルンもパワーで勝負を試みましたが、個での打開は難しく、まずFWで存在感を発揮したのはやっぱりテロッデでした。
ケルンが主導権を握る試合はあまりないので、中盤以下からのチャンスメイク自体が少ないこともあるとは思うし、効果的な突破法をチームとして持っているとは言えません。
それでもテロッデとコルドバはなんとかゴールをもぎ取っていましたが、取る以上に守ることができないともちろん勝ち点にはつながりません。
モデストとテロッデとコルドバの3人をローテーションしているだけの前線で、3人とも共通してフィジカルは強いけれど、スピードでかき回したり他を活かすプレーは得意ではなさそうです(^^;)
まだコルドバのほうが2列目からの動き出しや中盤でのプレーができますが、テロッデとモデストは攻撃時にパス交換に加わらずに常に前線でボールを呼ぶ傾向がある気がしていますがこれはあくまで主観的なものです。
ゴール意識が強いストライカーだけではどんなチームに対しても対等に戦うのは難しいと思うのでここは前半戦の課題になりましたね。
ちなみにシーズンを折り返す前の最後の3試合は勝利したんですが、これはヨーロッパ大会の過密日程で浮足立ち、調子を落としていたレヴァークーゼンとフランクフルトのスキをうまくついたことと、ブレーメンが今季抱えていた守備面の修正がまったくできていないところをしっかり仕留めたというタイミングに恵まれた部分が大きいです。
シーズン後半戦
後半戦の注目ポイントはもちろん『新加入のウートは何をもたらせるか』ですよね。
まずその前にウートの怪我からの復帰がいつごろになるか見当がつかないので、戦力として話をしていいものか悩みますが…(^^;)
ただ、このウートが2列目からの動き出しやスペースの使い方が巧い選手で、典型的なセンターフォワードのテロッデや、同じように機動力を持ったモデストとコルドバとの組み合わせは面白いです(^^♪
ウートは逆にエリア内の窮屈な場面でのプレーを得意としていないので、ポストプレーができるテロッデやダイレクトプレーが脅威のモデストの陰で顔を出してゴールを決めることができると思うし、ウートならトップ下としても経験豊富なのでうまく中盤と前線も繋げられると思います。
トップ下をやっていたシャウブが冬にハンブルクにレンタルに出されてしまったので、あくまでウートが復帰した場合ですがトップ下でドレクスラーとウートの競争になる可能性もあります。
ギスドル監督はたぶんモデストとテロッデとコルドバをなるべくもれなく使いたい想いがあるんじゃないかと思いますが、ウートを含めた4人にはっきり序列をつけて思い切った采配をしてもいいのかなと感じます。
リストには入れましたがシンドラーはサイドアタッカーで出場しているので3トップでもないかぎりFW起用はなさそうです。
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ウィンターブレイク明けのケルンはこれから5試合の間にドルトムントやメンヘングラートバッハやバイエルンとも戦わないといけないハードモードに突入します(^^;)
この冬にいくつかメンバーのテコ入れがあり、監督もだいぶ新戦力を含めたベストな布陣をイメージできているようです。
最終ラインと中盤の若手選手が前半戦と比べて少し出番を失うかもしれないようなコメントも見られます。
残留を目標とするケルンとしては安定感を常に求めていかないといけないので仕方ないですね。
ケルンにとって楽な相手はいないけど、相手を考えると1月と2月が勝負どころになりそうです。