非常に足元の技術が高く、緩急のあるドリブルからシュートやパスを使い分ける多彩な選択肢を持っている。ウインガーであるが中央で起点となることもでき、スペースの有無を問わず独特のリズムとキープ力を見せる。
パウリーニョは2018年の夏にヴァスコ・ダ・ガマから完全移籍(移籍金は1900万€で5年契約)してきました(^^♪
日本ではブラジルと言えばサンパウロやコリンチャンスが有名ですが、日本のFC東京と同じでヴァスコ・ダ・ガマも首都のリオデジャネイロをホームタウンとするクラブです。
知っている人もいるかもしれませんがヴァスコ・ダ・ガマは地名ではなく人の名前です。
パウリーニョは若干17歳のときですでにブラジル国内を沸かせるほどの活躍を見せていて、この世代のブラジル人ではトップクラスの才能を持っています。
パウリーニョ自身もコメントしていますが、レヴァークーゼンはルシオ、エメルソン、ゼ・ロベルトといった日韓W杯世代のブラジル代表がプレーしてきたクラブで、パウリーニョもそんな先輩たちに続こうとドイツにやってきました。
19歳のパウリーニョはU23ブラジル代表としても活躍していて、順調にいけば今年の東京五輪でもメンバー入りは間違いないでしょう。
先日のU23代表戦ではペルー戦ではエリア内左側を抜け出して角度のないところからトリッキーな決勝ゴールを決めました♪
パウリーニョはレヴァークーゼンで2シーズン目を迎えています。
レヴァークーゼンはパウリーニョ獲得当時、ブラジルでもう一人の逸材であるフラメンゴのヴィニシウス(現レアル・マドリード)も狙っていましたが、こちらは想像がつくと思いますが資金力でレアル・マドリードには勝てませんでした(^^;)
レヴァークーゼンがブラジルから選手を獲得したのはアランギスのとき以来3年ぶりのことでした。
ちなみにパウリーニョは未だにヴァスコ・ダ・ガマがクラブ史上最高額で放出した選手として記録されています。
パウリーニョは元ドイツ代表FWのキースリングの引退と入れ替わりでレヴァークーゼンにやってきました。
レヴァークーゼンにはすでにブラント(現ドルトムント)、ベララビ、ベイリー、フォランド、アラリオと有能なゴールハンターやアタッカーが充実していて、彼らがチームに残留すれば特にFWの補強は必要なかったと思いますが、パウリーニョはあくまで長期的なビジョンでの補強だと思われます。
加入当時は18歳のパウリーニョを2年ほどでばっちり鍛えて、いつ引き抜かれてもおかしくない攻撃陣たちの代役が務まるように徐々にトップレベルに持っていくビジョンがあったでしょう。
おそらく飛躍を遂げるとしたら五輪後の来季が勝負だと思うし、もともとマンチェスター・シティやアトレティコ・マドリードも狙っていた逸材なので、条件や周囲の環境次第で早くステップアップする可能性だってあります。
今季のパウリーニョのポジション争いについて
ボス監督はできるだけアタッカーの力を余すことなく活かしたいから、4-3-3の攻撃型か4-2-3-1のバランス型を採用しています。
3バックを試してみたりもしたけどうまくいかなかったみたいなのでもうあまりやらないでしょう(^^;)
パウリーニョはウインガー、サイドハーフ、トップ下とオフェンスの幅広いポジションをこなせますが、センターフォワードはやらないですね。
29歳 ベララビ(ドイツ代表)
27歳 フォランド(ドイツ代表)
26歳 デミルバイ(ドイツ代表)
23歳 アミリ(ドイツ代表)
22歳 ベイリー(ジャマイカ代表)
負傷離脱:2019/10/17~2019/10/31
21歳 エゼキエル・パラシオス(アルゼンチン代表)
20歳 ハフェルツ(ドイツ代表)
20歳 ムサ・ディアビ
19歳 パウリーニョ
合計 8名→9名
夏に加入したデミルバイとアミリはボランチかセンターハーフの選手ですが、パウリーニョにとってはトップ下のライバルになります。
同じように夏に加入したディアビはサイドハーフでライバルになるし、冬に加入したばかりのパラシオスはトップ下とセンターハーフの両方でプレーできます。
これは実は今季終了後にハフェルツとベイリーとフォランドに移籍の可能性が浮上しているためでもあると思っていて、引き抜きに備えて余剰戦力になっているのではという見方ができます。
シーズン前半戦
リストを見てもわかるように、このポジションはほとんどが代表選手で、チャンピオンズリーグのグループリーグも含めた過密日程の中でフル稼働できる選手はさすがにいませんでした。
特にチームのキーマンとなるハフェルツやデミルバイやフォランドあたりはかなり酷使されたほうで、そのぶんディアビやパウリーニョみたいな若手もかなり出番をもらえたと思います。
ボス監督は昨季から引き続き4-3-3をベースにスタートして、3トップに左からベイリー、フォランド、ベララビという破壊力抜群の構成にしました。
そこに中盤のハフェルツやデミルバイが効果的に連携をとることでレヴァークーゼンの攻撃は成り立ちます。
3トップはだいたい前の3人に頼った攻撃が多くなるのでチームプレーの効率はそこまで上がらないし、特にパスの中継役にもなれるハフェルツはセンターハーフよりトップ下のほうが合っています。
今季はベイリーが本調子でないにも関わらず、アラリオをフォランドの交代要員一択にしているのはかなりもったいなくて、それならフォランドを左にしてアラリオがトップでも良かったと思いますね(^^;)
あえてフォランドをトップで使い続けて、ディアビにウインガーとして多くのチャンスを与えたのは意外でした。
4-2-3-1ではトップ下にほぼハフェルツが入り、たまにアミリやパウリーニョやデミルバイも入ることがありました。
デミルバイがボランチとしてパスを散らし、トップのフォランドが作ったスペースを2列目の誰かが使う、またはその逆で2列目が引き出して空いたスペースをフォランドに使わせる…といったやり方で個性の強いアタッカーの特徴を生かし、守備のポイントを絞らせないこのフォーメーションがおそらく現状のベストだと思いました。
シーズン後半戦
冬にパラシオスというアルゼンチン期待の逸材が加入して、彼は主にトップ下やセンターハーフの選手であり、パウリーニョにとっては世代も近い新たなライバルになります。
ただしパラシオスは前所属クラブでのサスペンションの影響でしばらく出られないことと、アランギスの離脱によってそのポジションをカバーするためにボランチやセンターハーフをやる可能性が高くなっています。
パウリーニョの特徴を生かすために最適なポジションに優先順位をつけるとしたら、サイドハーフ>トップ下>ウイングの順番になるんじゃないかと考えています。
つまり、4-3-3の3トップの場合は他のレギュラーより得点力と動きに差が出るので、ウイングとして起用されることはかなり少ないということです。
特にフォランドのゴールに対する嗅覚とポジショニング、精力的な動きは柔軟性が高く、センターフォワードにこだわらずウイングとしても高く評価されています。
4-2-3-1のトップ下であればアミリとは互角な立ち位置を得ることはできるけど、やっぱり天才肌のハフェルツはこのチームでは少し次元が違うと思うし、ハフェルツからポジションを奪うことはかなり難しいでしょう(^^;)
左サイドハーフであればアミリとディアビがライバルになりますが、この2人はまだそこまで絶対的な存在ではなく、パウリーニョがポジションを勝ち取るとしたらここが一番チャンスがあると思います。
テクニカルな部分だけじゃなく、ハードワークができるかやより体を張ったプレーができるかがパウリーニョの課題になりますね。
パウリーニョは五輪予選のブラジル代表で遠征していて間もなくチームに戻ってきます。
レヴァークーゼンの冬の移籍市場では現時点でパラシオスの加入とポーヤンパロのレンタルでの放出が決まりました。
あとは最終ラインのドラゴヴィッチとレトソスに移籍の可能性があり、kickerの記事にはもし新たにDFを補強するあてがあるならば、少なくともどちらかはチームを去るだろうといったことが書かれていました。
ボス監督はオフェンスには納得しているけど、ディフェンス面はまだまだ試行錯誤しているといった様子が見えます(^^;)
CLでの敗戦を活かして今後どうやってリーグ戦とEL決勝トーナメントを戦っていくのが注目したいと思います。