ドイツ育ちでケルンの下部組織出身のブラジル人攻撃的MF
中央でもサイドでもプレーでき、優れたボールコントロールと軽やかなドリブルが持ち味で、パスやシュートの精度が高く攻撃の中心になれる。
カウリーは2019年の夏に3部に降格したデュースブルクから加入しました(^^♪
素直に「だれ?」という特に情報もない知らない選手でした(^^;)
今季のブンデスリーガで初めてパーダーボルンの試合を見て真っ先にいいなと感じた選手でした。
デュースブルク自体が小さな町の小規模クラブで、あまり他から有力な選手を補強できないほぼアマチュアクラブとも言えます。
デュースブルクからドイツのトップチームへたどり着く選手なんて歴代でも数えるぐらいしかいないはずで、パーダーボルンが昇格組と言えどもカウリーがそこから1部のチームに移籍して、ましてやレギュラークラスとして活躍するなんて、デュースブルクにとっても誇りなんじゃないかと思います。
日本で言うと地域リーグやJFLの選手がJ1にやってきた!ってたまにあると思いますがそれぐらいの快挙なんだと思いますね(^^♪
日本のJ2のチームがそうであるように、1部に昇格したからと言って必ずしも相応の戦力を揃えられるわけじゃありません。
クラブそのものの規模は言ってみればスポンサーの規模やサポーターの規模を合わせたものですからね。
パーダーボルンも昇格したにも関わらず、3部以下のチームからの補強がメインで、昨季とのメンバー入れ替えは10人近くになりました。
ブンデスリーガで試合経験があったのはベテランのヒュネマイアーと、マインツから加入したフートとホルトマンだけで、カウリーをはじめとするほとんどの選手がブンデスリーガデビューを果たしました。
今季の開幕戦にはスタメン11人中9人がブンデスリーガデビューでした。
ただ、あくまでも昇格の立役者となった大半の主力は残留してくれましたが、得点源だったクレメント(現シュツットガルト)とテクぺテイ(現デュッセルドルフ)の2人を引き抜かれてしまったので、カウリーとマンバという得点力の高いアタッカーを補強したわけです。
特に3部への降格が決まったデュースブルクのカウリーにはこれはチャンスと他のクラブもオファーを出していたようですが、カウリーはパーダーボルンを選びました。
今季のカウリーのポジション争いについて
パーダーボルンは両サイドのスピードをフルに活かした速攻が魅力のひとつです。
フォーメーションもシンプルな4-4-2か4-2-3-1を採用しているので、カウリーはトップ下か両サイドハーフで起用されます。
27歳 プレーガー
25歳 アントウィ・アジェイ(ガーナ代表)
25歳 リッター
24歳 ホルトマン
24歳 カウリー
24歳 ヒルスナー
23歳 デルフラー
22歳 ヴァシリアディス(ギリシャ代表)
合計 8名
トップ下ができるのがカウリーとヴァシリアディスぐらいで、セントラルプレイヤーのヴァシリアディス以外の全員がサイドアタッカーです。
サビリやカピッチもトップ下をやっていたけど、現実的にこのチームではボランチ起用が見込まれるので外しました。
マインツでプレーしてたホルトマン以外は筆者にとっては初めて見る選手ばかりで、わずかな試合数で特徴をとらえきれてない部分も多いです(^^;)
シーズン前半戦
パーダーボルンのサッカーの印象としては、ポゼッションを高めながらとか、後ろからパスを繋いでとかそういうことはせず、アグレッシブにボールを奪いに行き、奪ったら少ない手数でゴールまで向かうというスタイルに感じました。
特に両サイドはスピードに長けた選手が揃っていて、ドリブラーでありながら運動量が豊富でかつパスやクロスの技術が高い選手が多いです。
まずは昨季の主力をベースにした布陣でスタートしたので、ヴァシリアディスはボランチ、アントウィ・アジェイは左サイドを担当しました。
序盤はカウリーが右サイドで躍動して見せましたが、ゴール意識が強いので2トップとの呼吸が合ったり合わなかったり、そんなことを思ってるうちにプレーガーがメキメキと高いクロス精度や効果的な動きで相手を翻弄していくと、徐々に右サイドはプレーガーのプレー時間が長くなっていきます。
左サイドのアントウィ・アジェイについても最初はスピードのあるドリブラーとしてチームに勢いをもたらしてくれたけど、かなり攻撃的なプレースタイルなため、勝ち点が取れていないパーダーボルンは守備の改善を課題にしていたことからもともとサイドバックとしても経験豊富なホルトマンがバランス的に優遇されてきていきます。
パーダーボルンはくせもの揃いのサイドアタッカーたちのおかげでリーグでも中位に匹敵するほどの攻撃力を発揮し、実際に8位で折り返したヴォルフスブルクよりも総得点は上で、さらにバイエルン・ドルトムント・ライプツィヒというトップ3に対しては1分2敗ながらトータルで8点を奪っています。
サイドはどの選手が入っても個性が強く出て、それがうまくハマれば驚くような円滑な攻撃が見られてとても面白いチームだなと感じました。
シーズン後半戦
パーダーボルンは最下位でシーズンを折り返しました(>_<)
守備の修正は課題ですが、前半戦の攻撃力はできれば維持したままやってほしいなと個人的には願っています。
おそらくミヘルとマンバとゾリンスキで2トップをまわしていくと思うので、4-4-2の中盤のサイドのポジション争いはかなり激しくなります。
前半戦で飛躍的に評価を高めたプレーガーの台頭で、カウリーニとっては間違いなく右サイドの定位置確保が難しくなり、ましてやトップ下での出番はごく限られていくでしょう。
右サイドであればリッターやデルフラーも控えていて、ちょっとでも気後れするとベンチ入りも危うくなりかねない状況です。
カウリーは左サイドもこなせますが、こちらはレフティのホルトマンが前半戦の終盤でやや優位になってきていたので、アントウィ・アジェイとうまく使い分けがされていくと予想しています。
プレーガーはスピードがあって高いキック制度を持っていますが、守備面や運動量ではほかの選手よりも劣るとみているので、フルタイム出場はそこまで多くならないと思います。
そしたらカウリーにも一定のチャンスは与えられるはずなので、そこでプレーガー以上の結果さえ出せればスタメンを取り戻すことも可能だと思います。
チームの残留に向けて両サイドアタッカーの力がより求められる後半戦が楽しみです(^^♪
パーダーボルンは4部のロッテとのトレーニングマッチに勝利しました。
バウムガルト監督は後半戦に向けてやっぱり守備陣の並びを変えてみたりしたようです。
もしかしたらこれまでなかった3バックや5バックを思い切って採用する可能性さえあり、そうなったら今回書いたことはまったく意味をなさなくなりますね(^^;)
そのへんは週末に今度はより強い2部のハノーファーとテストマッチがあるので、そこでまた監督の狙いや思惑の一部が見えてくるかもしれません。
後半戦はパーダーボルンの怒涛の追い上げに期待します!