左利きで、フリーキックやコーナーキックも任されるほど鋭く精度の高いクロスが武器であり、配給センスに優れる以外にもDFとして対人戦や反応の速さで守備でも安定感を備えている。
ヴェントは2011年の夏にコペンハーゲンから自由移籍(5年契約)してきました(^^♪
加入から幾度と契約更新を重ねて、現時点では今季いっぱいで契約満了の予定となっています。
これまで紹介してきた選手の中でもヴェントは特に現所属クラブでの在籍年数が長いですね。
これまでメンヘングラートバッハから移籍するそぶりも全くなかったので、34歳という年齢がそろそろ引退をちらつかせてもいるところで、今季終了後に母国のスウェーデンに帰るというのもあり得ますね。
もう10年近くメンヘングラートバッハのヴェントを見てきているから、このチームにいるのが当たり前になってもいて、スタッフやコーチの形でこれからも末永くドイツサッカーに貢献してくれたらありがたいと思います。
おそらくヴェントのプレーを見れる機会はもうそんなに多くないと思うので、可能な限りメンヘングラートバッハの試合を見れたらと個人的に頑張っております(^^;)
ヴェントはスウェーデン代表として主要な国際大会にはメンバー入りしなかったけど、イブラヒモヴィッチ(現ミラン)をはじめとするスウェーデンのスター選手とともにプレーしていました。
ヴェントはメンヘングラートバッハでの9シーズン目を迎えています。
これを超えるチームメイトはユースっ子でチーム一筋十数年のヤンチュケとヘアマンだけで、外からやってきた選手では断トツのトップです。
当時のメンヘングラートバッハで個人的にいちばん思い出せるのは、元日本代表の大久保嘉人と一緒にスペインのマジョルカでプレーしてたのをWOWOWで見ていた元ベネズエラ代表ウインガーのアランゴが好きだったことと、若かりしロイス(現ドルトムント)が才能を開花させていたこと、テア・シュテーゲン(現バルセロナ)がまだ駆け出しのルーキーだったことぐらいです。
ヴェントが加入する前のシーズンからロイスとファブレ監督はメンヘングラートバッハで選手と監督の関係にあって、そこから7年後にドルトムントで再開しています。
ヴェントが加入時にはメンヘングラートバッハの左サイドバックはキャプテンで元ベルギー代表だったダエムス以外はみんな移籍してしまいました。
ヴェントはすでにベテランだったダエムスの代役として少しずつ出場機会を増やしていって、レギュラーと呼べるまでには3年ぐらいかかりましたね。
ヴェントの加入から9年が経とうとしていますが、メンヘングラートバッハはこれまで有力な即戦力の左サイドバックを補強したことがなく、今季になってようやくベンセバイニというライバルが誕生したわけで、ヴェントは長く不動の左サイドバックであり続けています。
もういつヴェントからベンセバイニにバトンタッチされてもおかしくないんですが、ヴェントの今後の動向にはぜひ注目していただきたいなと思います(^^♪
今季のヴェントのポジション争いについて
今季就任したローゼ監督は4バックをベースとしていますが、3バックもオプションとして持っていて今季は意外に3バック時の勝率が高いです。
中盤の並びにかなり変化をつけたがる采配をするし、ローゼ監督はザルツブルク時代から好んで採用する4-3-1-2という守備的な陣形を得意としていますが、プレアやテュラムといったアタッカーの力を最大限に活かすために攻撃的な4-3-3も織り交ぜながらやっています。
ヴェントにとっては4バックであれば左サイドバック、3バックなら左サイドハーフとポジションは絞られているのでそれほど複雑ではないですね(^^;)
34歳 ヴェント(元スウェーデン代表)
32歳 ファビアン・ジョンソン(元アメリカ代表)
負傷離脱:2019/09/14~2019/11/10
31歳 イブラヒマ・トラオレ(ギニア代表)
負傷離脱:2019/09/20~2019/10/19
2019/11/29~2019/12/31
24歳 ベンセバイニ(アルジェリア代表)
負傷離脱:2020/01/14~
20歳 ベネッツ
負傷離脱:2019/09/15~2019/11/11
合計 6名→5名
トラオレとベネッツだけが中盤のサイドが本職で、あとはサイドバックが本職で中盤もできる選手たちです。
冬に出場機会を求めてレンタル移籍に出ているポウルセンはその時点でポジション争いから脱落しています。
他にも負傷者が出た時にセンターバックのエルヴェディがコンバートされたなどのアクシデントによるごくまれなケースは省いてあります(^^;)
あと確証がないんですがたぶんジョンソン以外はみんなレフティだと認識しています。
シーズン前半戦
久々となる左サイドバック獲得となったベンセバイニの加入で、ヴェントとどちらがレギュラーの座につくかが注目でしたが、今季もやはりヴェントが左サイドの主役になりました。
経験豊富なヴェントは効果的にパスやクロスを選択して、戦況を見ながらポジショニングしていて、もともとあまり前に出すぎないタイプなのでリスキーなプレーも少ないのが好印象です。
ジョンソンは中盤のセントラルでもプレーできて、3ボランチ(もしくは3センター)を採用するならサイドではなくそちらのポジションで役割を得ています。
ですが、怪我の多いジョンソンとトラオレは今季もやっぱり長い離脱を強いられていて、この前半戦はほぼ戦力にはなれませんでした(>_<)
結局、左サイドはヴェントかベンセバイニの2択しかないわけで、ELグループステージとの連戦の中でヴェントを休ませてベンセバイニにも出場機会がいくつかありました。
その中で印象的なのはベンセバイニがPKを含む2点を奪って金星をつかんだバイエルン戦で、ベンセバイニの持ち味が発揮できた試合でした(^^♪
もちろんヴェントはハードな日程でよく頑張ってくれたほうですが、無理のきかない年齢ではあるのである程度ベンセバイニに任せられたのはヴェントにとっても助けになったと思っています。
シーズン後半戦
後半戦はいきなりベンセバイニがウィンターブレイク終盤で負傷し。2月中の復帰を目指すというまさかの出遅れ…。
また当面はヴェントが左サイドで固定されるものと思われますが、怪我から復帰したトラオレやジョンソンの起用法が気になるところです。
システム的にサイドハーフになることが少ないので、トラオレに関しては完全に3トップのウイング要員なのかもしれません。
ベネッツはまだ未知数と見ると、後半戦も引き続きヴェントとベンセバイニの争いに変わりはなさそうです。
そして筆者が見た限りでは、ヴェントとベンセバイニは特徴が異なっていて明確なスタイルの差があります。
例えばクロスの質で言えばどちらも鋭く曲がるボールを蹴りますが、ヴェントはセットプレーなど静止したボールを高くコントロールするのが得意なのに対し、ベンセバイニはドリブルやオーバーラップからの低い弾道のアーリークロスを得意としています。
スピードやウインガーとの連携を活かしたサイド攻撃はベンセバイニのほうが通りやすいし、中盤やピッチの幅を使った攻撃だとヴェントが仕掛けやすいということです。
守備ではヴェントならルーズボールへの対応やサイドからの攻め上がりを止めることに長けていますが、ベンセバイニはよりアグレッシブにボールを奪いにいくし多少リスクを負ってでもプレッシングにいきます。
こうした違いがヴェントとベンセバイニにはあると感じたので、対戦相手や対峙するアタッカーのタイプによってローゼ監督がうまく使い分ければいい競争関係になると思います。
一概にどちらがベストとは言い切れないので、今季はヴェントが先輩として引っ張ってもらって、ベンセバイニに少しでもヴェントの良いところを吸収してもらえたらいちばんいいのかなと思います(^^♪
そのためにもベンセバイニには早く復帰してもらって、いつでもヴェントに代わって出られるようにコンディションを整えてもらいたいですね。
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Schluss bei #RBLBMG! @DieRotenBullen retten in der Schlussphase einen Punkt gegen die @borussia im #Bundesliga-Topspiel! pic.twitter.com/CN2giT3TcZ
— BUNDESLIGA (@Bundesliga_DE) 2020年2月1日
上位対決となった今節のメンヘングラートバッハはライプツィヒにアウェイで引き分けに終わりました。
相手のミスから幸先良く2点をリードしていたにも関わらず、後半にクラマーの負傷交代、そのあとにプレアが主審への抗議で退場になるなど不利を強いられて、リードを守り切る作戦が裏目に出た形になりました。
ラッキーとアンラッキーが両方あったということなので引き分けは妥当とも言えるし、むしろライプツィヒ相手にアウェイで引き分けたのはプラスに考えるべきかもしれません。
おかげで久々にバイエルンが首位に立っていますが、まだまだ優勝争いは続いていきます(^^♪