パリ・サンジェルマンの下部組織出身でセネガルにルーツを持つフランス人センターバック
レフティであり俊敏性と身軽さを活かした対人戦が持ち味である。
ドゥクレは2016年の夏にパリ・サンジェルマンから自由移籍してきました(^^♪
U17フランス代表でキャプテンも務め、2015年にはU17欧州選手権でも優勝したメンバーのひとりです。
そのU17欧州選手権から5年が経とうとしていますが、そのときのメンバーで特に有名になった選手はいなくて、強いて言えば同じブンデスリーガでプレーして、大会ではセンターバックコンビを組んでいたウパメカノ(現ライプツィヒ)ぐらいでしょうか(^^;)
ライプツィヒというチームと共に大きく名を上げたウパメカノとは対照的に、実はドゥクレはパリ・サンジェルマンとメンヘングラートバッハのいずれのクラブでも、現在までトップチームでの公式戦出場がゼロのままです(>_<)
順調だったユース時代とは違って、まだプロとしてのスタートラインから一歩も踏み出していないんです。
もちろん日本でも大卒でプロとして歩み始める選手も少なくない時代なので、今年で22歳になるドゥクレもそう考えればこれからという見方もできますが…。
ドゥクレも怪我が絶えないタイプの選手ではありますが、才能のある選手がこういう経歴をたどっているのも珍しくて、個人的にはメンヘングラートバッハで出場機会があるのか、それともどこか新天地でプレーできるのか注目はしています。
ドゥクレは今季のメンヘングラートバッハで4シーズン目を迎えています。
悲しいことにそれまでの3シーズンはことごとく怪我による離脱でシーズン丸ごと棒に振ってきました(>_<)
筋肉系の怪我はヘンにクセがつくと繰り返すことも多く、プロ選手にとっては死活問題です。
ドゥクレがパリ・サンジェルマンのトップチームに上がって移籍するころというのは、ブラジル代表コンビのチアゴ・シウヴァとダヴィド・ルイス(現アーセナル)、さらに同じくブラジル代表のマルキーニョス、のちにシャルケに移籍するスタンブリ(現シャルケ)といった世界屈指のセンターバックが揃っていました。
同じセンターバックで当時18歳のルーキーだったドゥクレがパリ・サンジェルマンに残ってもベンチ入りすら厳しいことは、ヨーロッパのサッカーファンなら誰でも想像できることでした。
ましてや金満オーナーがついてるパリ・サンジェルマンは、即戦力のトップクラスの選手たちをいつでも獲得できるから、よほどのことがないとコツコツとユースの選手をトップチームで育てたりしません(^^;)
そのときメンヘングラートバッハでは元オーストリア代表のシュトランツルとスペイン人のアルバロ・ドミンゲスが現役引退、ブラウヴェルスとヒンテレッガー(現フランクフルト)が退団して一気にセンターバックが手薄になりました。
メンヘングラートバッハが補強したセンターバックは、ドゥクレの他にデンマーク代表のヴェステルゴーア(現サウサンプトン)とコロジェイチャク(現サンテティエンヌ)と合わせて3人でした。
いなくなった選手と比べると獲得した選手は少し見劣りするので心配でしたが、エルヴェディがいてくれたことは大きかったですね(^^;)
今でこそメンヘングラートバッハに欠かせないセンターバックであるドイツ代表のギンターは意外にもドゥクレより1年あとの加入です。
今季のドゥクレのポジション争いについて
ドゥクレは決してゴール前でどっしり構えるタイプのセンターバックではないのでたぶんサイドバックとしても起用は可能です。
でもメンヘングラートバッハのサイドバックはある程度決まった選手が起用されるので、結局はドゥクレもセンターバックのみになると思います。
29歳 ヤンチュケ
負傷離脱:2019/08/07~2019/08/19
2019/11/05~2019/11/24
2020/01/18~2020/02/10
29歳 シュトローブル
負傷離脱:2019/08/17~2019/09/09
2019/09/17~2019/10/29
26歳 ギンター(ドイツ代表)
負傷離脱:2019/10/07~2019/10/29
2019/11/27~2019/12/03
23歳 エルヴェディ(スイス代表)
21歳 ドゥクレ
負傷離脱:2019/10/23~2019/12/31
合計 5名
センターバックの新戦力はいなくて、ヤンチュケはチームで最も古株ですね。
シュトローブルだけがボランチの選手ですが、シーズンに何度かセンターバックをやることがあります。
シュトローブル以外はサイドバックもできるし、エルヴェディも一時期は人材不足でサイドバックをやっていたけど今はセンターバックで落ち着いています。
また、離脱とまではいかなくてもエルヴェディも今季に何度か軽い怪我で試合に出れなかったことはあります。
シーズン前半戦
新たなセンターバックを獲得しなかったことから、昨季に続いてエルヴェディ&ギンターのコンビが引き継がれました。
どちらもパスを散らせるしビルドアップでも優秀ですが、本業となるディフェンスでもしっかり攻撃を跳ね返したりチャンスをつぶすことに長けています。
どちらかが欠けてもヤンチュケが代役をこなしてくれるので、この3人でチームの堅守を支えてくれたと思います。
ヤンチュケもギンターも怪我で離れていた時期があったので、エルヴェディの負担は大きかったけどそこをしっかり戦い抜いたエルヴェディは賞賛すべきでしょうね(^^♪
ドゥクレは今季開幕時には試合に出られる状態だったと思いますが、何しろ3年も実践から離れていたわけですから、試合勘という意味でもまずはセカンドチームからコンディションを上げていく予定だったと思います。
が…ちょうどギンターらが離脱する10月末ごろにまたも負傷したことで、出場機会を得るチャンスを失ってしまいました(>_<)
さすがに不運としか言いようがないんですが、ドゥクレに必要なのはリハビリとトレーニングと、お祓いを追加したほうがいいかもしれません。
シーズン後半戦
後半戦は初戦でいきなりヤンチュケの負傷があり、そこからセンターバックの控えにいるのはドゥクレではなくシュトローブルです。
ローゼ監督はボランチのザカリアを最終ラインに加えて3バックを試したようですが、たぶんこの選択はあまり良くないです(^^;)
攻撃時はいいかもしれないけど、守備だと両サイドと中央のバランスが悪くてこのチームには向かない気がします。
冬にも特に補強はしなかったけど、今季も残りはギンターとエルヴェディでやり切るつもりなんだと思います。
現状でヤンチュケやドゥクレが彼ら以上に安定感をもたらせるとは思えないし、ボランチはクラマーにザカリアにノイハウスがいるから、シュトローブルが完全にセンターバックにコンバートされてもおかしくありません。
今のドゥクレにできることはメンバー入りに奮起することじゃなくて、今季残りは体づくりに専念して、万全の状態で来季をスタートできるように目指すことだと思います。
ちょうど筆者がこの記事を書き終えた夜にドゥクレの契約延長が発表されていました(^^♪
3年も4年もまったく戦力になれていないのに、それでも信じて復帰を待っていてくれるなんて選手にとっては嬉しいことですね。
今後何年かにわたってドゥクレが恩返しになるように驚異的なプレーを見せてくれる日を楽しみにしています。
そしてメンヘングラートバッハは前半戦は一時首位に立つほどの好調だったのに、気づけばバイエルンとドルトムントに順位で抜かれてしまっています。
メンヘングラートバッハはELもポカールも敗退してもうリーグ戦しか残っていないので、CL出場権と言わず優勝も目指して全力で戦い抜いてほしいなと思います。