リュカ・エルナンデス
元プロサッカー選手の父親を持ち、フランス生まれのスペイン育ちであり、アトレティコ・マドリードの下部組織出身のフランス代表DF。
守備において非常に反応が早く、相手のアタッカーの侵入を阻止することに長けている。空中戦での競り合いにも強くヘディングも武器としている。あまり積極的にゴール付近まで顔を出すタイプではないが、左足からのクロスやスピードにのせたサイドアタックなどチャンスメイクの一面も見せる。
リュカ・エルナンデスは2019年の夏にアトレティコ・マドリードから完全移籍(移籍金は8000万€で5年契約)してきました(^^♪
同い年で同じフランス代表DFのパヴァールと同期の加入でした。
バイエルンはこのとき、リュカとパヴァールにキュイザンスも加えて合計3人のフランス人を獲得しています。
その3人のフランス人の獲得には合計で約1億2000万€を投じていて、その3分の2をあてられたのがリュカでしたね。
リュカはもともと才能があって注目されていた選手でしたが、アトレティコでレギュラークラスの出場機会を得たのは2018年のロシアW杯前後あたりからです。
それまで代表戦での印象が強かったので、正直言って筆者もリュカのアトレティコでのプレーはそんなに観ていません(^^;)
あと世間から注目を浴びた要因としては、アトレティコのライバルであるレアル・マドリードに当時所属していた弟のテオ・エルナンデス(現ミラン)の存在かもしれません。
弟のテオももとはアトレティコのユース出身で、この2人のエルナンデス兄弟が若くしてスペインのビッグクラブでそれぞれ才能を開花させたことが注目度を大きくしたと思います。
2020年の今はリュカはドイツ、テオはイタリアと兄弟揃ってスペインを離れているところも面白い巡りあわせだなと思いますよね(^^♪
それにしても、バイエルンでフランス人と言えばちょっと前までリベリーというイメージだったのに、今じゃコマンやトリッソもいてすっかりフランス人がにぎやかになってますね(^^;)
リュカは今季のバイエルンで2シーズン目を迎えています(^^♪
当時のキッカーの記事の見出しにもあるように、リュカはバイエルン史上最高額で獲得した選手です。
この8000万€というのは呆れるほど異常な金額であり、例えば今季マンチェスター・シティから獲得したザネが4500万€で史上2番目なんですが倍近くの差があるし、今バイエルンにいる主力たちもだいたい2000万€~3000万€で獲得されています。
移籍する前のシーズンにあるタイミングでアトレティコがリュカに契約延長の申し出をしていたことと、リュカ自身の市場価値が高まったことが相まってそんなとんでもない金額になってしまったと思いますが、そこはさすがバイエルンで渋ることもなくこの遺跡はあっさりと決着しました(^^;)
一方のアトレティコはというとこちらも『クラブ史上最高づくし』で、1億2000万€でベンフィカからジョアン・フェリクスを獲得して、さらにそれに近い金額でグリエズマンをバルセロナに売却しています(゚д゚)!
2019年の夏の移籍でアトレティコは加入と放出をすべて合わせて約5億€近くのお金が動いていて、これは日本円でおよそ600億円に相当する頭がおかしくなりそうな金額です。
もはやこれは何かの規定や法律に違反しているのでは?といつかこの時のアトレティコが調査を受けそうで怖くなります(>_<)
バイエルンはフンメルス(現ドルトムント)が移籍してしまって、今でこそアラバがCBをやってるものの。当時はまだボアテングとジューレしかCBが残っていなかったので、SBもCBもできるリュカとパヴァールの獲得はファンにとってもかなり期待が膨らんだと思います。
結果的にリュカの移籍初年度は怪我による離脱でシーズンの中盤戦はぽっかり欠場してしまいましたが、リュカの不在をアラバやパヴァールが支えてくれたおかげでキミッヒがSBとしてもボランチとしても爆発的に飛躍を遂げ、バイエルンはコロナ禍も乗り越えて念願のチャンピオンズリーグ制覇まで成し遂げたわけですね(^^♪
今季のリュカのポジション争いについて
フリック監督は昨季途中で就任しましたが、4-3-3をやめて今では完全に4-2-3-1がベースになっています。
リュカは左SBとCBをこなせるのでその両ポジションの選手をピックアップします。
32歳 ジェローム・ボアテング(ドイツ代表)
32歳 ハビ・マルティネス(元スペイン代表)
28歳 アラバ(オーストリア代表)
25歳 ジューレ(ドイツ代表)
24歳 パヴァール(フランス代表)
24歳 リュカ・エルナンデス(フランス代表)
20歳 クリス・リチャーズ
19歳 アルフォンソ・デイヴィス(カナダ代表)
18歳 ニアンゾウ
負傷離脱:2020/09/08~
合計 9名
デイヴィス以外の全員がCBに適性があり、左SBとしてプレーできるのがアラバとリュカとデイヴィス、右SBとしてプレーできるのがパヴァールとリチャーズという感じです。
右SBとしてキミッヒがプレーできるんですが、今季は移籍したティアゴ(現リヴァプール)が着けていた『6番』を引き継ぎ、おそらくボランチとして重用されていくと考えているのであえてリストから外しましたし、そもそもリュカとは重なるポジションがないのでなおさらでした。
したがって、一応リストにありますが今季のパヴァールについても右SBで固定でCB起用は確実に減ると言っていいと思いますのでリュカのポジション争いとはほぼ絡みがありません。
新戦力はCBのニアンゾウのみで、リチャーズがおそらくユースのバイエルンⅡとの掛け持ちになると予想されます。
ポジション争い云々の前にあらかじめバイエルンのCB事情について少し触れないといけません。
アラバは今夏の去就が注目された一人でしたが、先日のマーケット締め切りをもってひとまずバイエルンに残ることになりました。
若手のニアンゾウは長期的なプランで獲得してるので、アラバが移籍するか残留かでCBの層がかなり変わってきます。
おそらくアラバが移籍した場合にはリュカがレギュラーとしてCBに固定されたのでは?と個人的には考えるわけです。
ところがアラバが残ったことで、リュカの立ち位置だけでなくDFライン全体のポジション争いは再び激化したと言えるんじゃないでしょうか。
リュカにとってはCBであればアラバ、左SBならデイヴィスとポジション争いをすることになります。
リュカが左利きということで左CBをやることが確実に多くなると思いますが、右SBに同じフランス代表のパヴァールがいるのならフィーリングや言語などの面で右CBでも連携は抜群に取りやすいかもしれません。
2つのCBのうち固定とされるのがアラバなのかボアテングなのか、実のところ今季はまだはっきりしていません。
センスとスピードだけで不慣れなCBをカバーしてきたアラバも押し込まれるとミスはあるし、ボアテングはピークを過ぎてプレーそのもののキレは落ちてきているので精神力で頑張ってるところです。
ボアテングと同い年のマルティネスは何かと足に問題を抱えがちで無理がきかなくなってきたのでマルティネスのスタメン登用はほぼないとみています。
あとは未だ評価の上がり切らない控えに甘んじているジューレをどう見るかですが、タイプとしてはロングパスや空中戦の強さでボアテングのバックアップと思われます。
アラバと同タイプ(もしくはそれに近い)となるのはリュカしかいなくて、特に屈曲なアタッカーやセットプレーに対してはおそらくアラバよりリュカのほうが少し強いのではと思っています。
ただ、そもそもバイエルンがブンデスリーガにおいて圧倒的に攻められるケースは稀であって、最終ラインが屈強で頑強である必要があまりないというのも事実で、だからこそアラバのような本来は生粋のアタッカーでもCBをやれているという見方もできます(^^;)
直近の試合だと自陣でのミスからの失点もあるけど、カウンターからの失点というのも目立つようになってるので、全体が前に出すぎるところを狙われるというのはあると思うから攻守のバランスは課題だと思っています。
左SBで見た場合、リュカと争うのはまずデイヴィスしかいません。
アラバをCBにコンバートしたことがデイヴィスの開花と急成長に大きく繋がっていて、ウインガーとしての素質が高いデイヴィスはリュカよりもゴール近くまで自力で侵入して味方をサポートできるので、はっきり言ってリュカのほうが今のところ不利な状況です。
ただ、デイヴィスが高い位置を取ってグラウンダーのクロスのような短距離でのアシストを得意としているのに対して、リュカは中長距離から質の高いクロスを供給できたりするのが強みなので、例えば中盤でミュラーやゴレツカみたいな選手がおさめてくれたり、最前線でレヴァンドフスキに合わせて彼のポストプレーやシュートを引き出すことができると思います。
守備に関してもデイヴィスが決して万能なわけではないので、相手のサイドアタッカーの性質によってデイヴィスとリュカを使い分けるというのもアリだと筆者は考えています。
どうしても左SBのデイヴィスと左CBのアラバという左サイドだと攻撃性が強く出てしまうので、どちらかにリュカが入ることで最終ラインは安定させることができると思います。
CLでは常にブンデスリーガ上位クラスかそれ以上のチームと対戦するので、フリック監督の今シーズンの戦い方にも注目した意図思います(^^♪
バイエルンのサリハミジッチSDが今季の新戦力について簡潔なコメントを出しています。
バイエルンはザネとニアンゾウの獲得以降はまったく新加入の情報がありませんでしたが、今夏のマーケット終了間際でロカ、サール、チュポ=モティング、ドウグラス・コスタと経験豊富な選手を一気に4人も迎え入れることになりました。
そしてユース出身の若手をザークツィーを残してほぼレンタルに出してしまったので、バックアッパーとして若手が出場機会を得るのはかなり難しくなっています(^^;)
その中で直近の試合でスタメン出場した右SBのリチャーズや、絶対的エースのレヴァンドフスキと争うCFのザークツィーがこの先どれぐらいのチャンスを与えられるのか…。
バイエルンは代表選手を多く抱えているので、ちょうど今のような代表ウィークもあれば、これからまたチャンピオンズリーグのタフなスケジュールをこなさないといけない。
個人的な不安要素としては、レヴァンドフスキ&ミュラーという2枚看板への依存度が高くなればなるほど対策がされやすくなると思うので、そこをどう克服できるかがカギになると思っています。