パトリック・シック
パワーやスピードでは中の上ぐらいで決して身体的に恵まれてはいないが、繊細で柔らかいボールタッチを駆使したドリブルやボールキープ力を持っている。PA内でのプレーが得意で、DFとの駆け引きや空中戦の競り合い、裏のスペースへの抜け出しなど多くの武器を持っている。
シックは2020年の夏にローマから完全移籍(移籍金は2600万€で5年契約)してきました(^^♪
スパルタ・プラハはチェコの名門クラブであり、ワールドクラスの有名なチェコのスター選手はだいたいここの出身者であることが多いです。
もう引退してますが、元チェコ代表GKのチェフ、元チェコ代表DFのカドレツ(レヴァークーゼンでもプレー)、元チェコ代表MFのロシツキーとネドヴェドもスパルタ・プラハから世界に羽ばたいた選手たちです。
先日にブレーメンのパヴレンカでも触れましたが、ブンデスリーガは何かとチェコ人選手との縁があるリーグです。
ロシツキーだって現役時代はドルトムントで長くやっていたし、今もコウベク(現アウグスブルク)やカデジャーベク(現ホッフェンハイム)やダリダ(現ヘルタ)といったチェコ代表選手たちがドイツでプレーしています。
でもシックのようにセリエAからブンデスリーガにやってくるケースはけっこう珍しいです。
長い間ブンデスリーガを見てきて、ここ十数年でセリエAとブンデスリーガの間で行われた選手の移籍というのは両手で数えられるぐらいじゃないかというほど…。
シックみたいにローマやライプツィヒとリーグタイトルを争えるチームでやってきてレヴァークーゼンに来てくれるとは予想していませんでした。
シックは今季のレヴァークーゼンで移籍初年度を迎えています(^^♪
昨季はローマからライプツィヒへレンタル移籍して、怪我による出遅れはあったもののブンデスリーガでは2桁得点も記録してじゅうぶんな活躍ができたと思っています。
筆者の考えではそのままライプツィヒが完全移籍で獲得するものとさえ思っていました(^^;)
ライプツィヒは最終的にヴェルナーを5000万€以上でチェルシーに売却してるので、資金的な問題はなかったと思うし、セルロートやファン・ヒチャンみたいな他のストライカーの獲得を優先したのは個人的には少し疑問だったんです。
でも結果的にレヴァークーゼンにとってはシックを獲得できたことでモナコへ移籍したフォランドの穴埋めには成功しました。
というより、レヴァークーゼンはハフェルツをチェルシーに売却してライプツィヒのヴェルナーのケースとほぼ同等の移籍金を手にしたわけで、だからこそのシック獲得とも言えますが…。
レヴァークーゼンのスカウティングなら10代ぐらいの若くて有望なストライカーも連れてこられると思いますが、今季はシックという即戦力を加えることでストライカーの補強は落ち着きました。
一方でセリエAにはとことん疎い筆者にはなぜローマがシックを手放してしまったのかわかりません。
シックはすでにセリエAでもその得点力を証明していたし、ライプツィヒでの活躍から見てもチームに改めて戦力として引き留めたいのでは?と思ってました。
たしかにローマは今季はスペイン代表のペドロやマジョラルといったストライカーを獲得してFWの層は厚くなり、ポジション争いはかなり激しそうには見えます。
それでもジェコもペドロももうベテランなので、ローマにとってシックは世代交代のうえでもピッタリな人材だと思います。
決して戦力外通告を受けたわけじゃないと思うので、やっぱりシック自身が移籍を強く志願したのかなと推測してますが、もしローマのチーム事情に詳しい人が読んでいたらこっそりコメントで教えていただきたいです(^^♪
今季のシックのポジション争いについて
シックはドリブルが特徴であるのに反してそこを強調されることはないので、一般的にドリブラーとして認識されていません(^^;)
シックならウイングでもやれると思いますが、とりあえずセンターフォワードのみで絞ってみたいと思います。
28歳 アラリオ(アルゼンチン代表)
※負傷離脱:2020/11/29~2020/12/11
25歳 シック(チェコ代表)
※負傷離脱:2020/10/04~2020/11/11
23歳 ベイリー(ジャマイカ代表)
17歳 ゲディキリ
合計 4名
まだU19チームが主戦場のゲディキリを新戦力と呼べるかわからないので、シックだけがこのポジションでは今季の新戦力と思っています。
ベイリーは生粋のウインガーですがたまに1トップに配置されることもあるので一応リストに入れました。
一見するとセンターフォワードの層は薄く見えるけど、このチームはクセのあるサイドアタッカーや2列目の選手たちがシンボルみたいなものなのであまり問題はないようです。
シーズン前半戦
ベイリーが本職のウイングで好調を維持していたので、1トップはアラリオとシックの2択でした。
シックが開幕後まもなく怪我で離脱したので、アラリオが一足早く結果を残して、アラリオが怪我で離脱するまで絶好調の時期がありました。
アラリオは5試合連続得点で7得点の活躍を見せて、完全復活を思われるぐらいの得点力を発揮してくれました。
もちろんディアビとベイリーの両翼も調子が良くてキレのあるドリブルと突破力でサポートしてくれたし、中盤ではこれまた絶好調だったアミリが攻撃のアクセントになってくれました。
もともとアラリオは味方からボールを引き出す動きもゴールへの嗅覚も鋭い選手なので、周りの選手がこれだけ質の高い技術とセンスでサポートしてくれると勢いでどんどんゴールをとれるタイプです。
絶好調でノリノリだったところにアラリオは怪我で勢いがストップしてしまったのが悔やまれるところ…。
シックが復帰してからも特に連携とかあんまり気にならなくて、シックは普通に何年かレヴァークーゼンにいたんじゃないかってぐらい馴染んでました。
アラリオとシックはタイプとしては違うFWだと思うけど、どちらもレヴァークーゼンのサッカーとマッチしてていいなと思います。
この前半戦、もしアラリオもシックも怪我をしていなかったら、いったいどっちがスタメンで固定されていたのか…。
たぶんシックがスタメンだったと思ってるので、アラリオの活躍はレヴァークーゼンにとってうれしい誤算だったかもしれません。
シーズン後半戦
後半戦は怪我から復帰したアラリオのコンディションが完全に戻らないながらも、やっぱりシックとのポジション争いが続いています。
場合によってはシックとアラリオが共演することも少なからずあります。
数字だけを見てもわずかにアラリオのほうが公式戦でゴール数が多いけど、どちらかをベンチに置かないといけないとなると悩みます。
アラリオなら素早いパスワークからゴール前でしっかり合わせるっていうレヴァークーゼンでの経験値を活かした連携プレーも得意でポストプレーとまでいかなくてもボールをおさめる強さも持っています。
シックなら足元の技術は素晴らしので、器用に相手DFとの駆け引きからいろんなパターンでゴールに迫れます。
セットプレーでの競り合いや、カウンターに対してのランニングや抜け出しの部分ではアラリオとシックに大きな差を感じられません。
どちらも活躍度合いで言えば似たようなデータを持っていると思うし、決定力の高さもほんとに差がありません。
守備に関して言うとアラリオのほうがチーム歴が長いから、FWの守備の立ち回りは感覚的にわかってると思います。
単純な運動量だけでもアラリオのほうが少し上なんじゃないかとは感じています。
シックがどうしてもスピードやスタミナで勝負するストライカーではないので、アラリオとの差が出るとしたらそこでしょう。
アラリオもシックも今季一度は怪我をしてるので、今後はコンディション面と痛めた個所の回復具合などプレーにどれだけ影響するかにかかってると思いますね。
2人がいるかぎりはあまりベイリーが1トップをやることもないと思うし、ゲディキリもまだまだトップチームでやるのは早いかなと思っています。
あとこれは不確定な情報ですが、アラリオは来季の移籍を希望してるらしいとのとこで、もしそれが事実ならシーズン終盤にそのことで出番が減る可能性が微妙にあります。
今季のレヴァークーゼンは守備陣中心に何かと離脱者が絶えない状況です(>_<)
チームはELですでに敗退し、直近のリーグ戦では3試合未勝利と少し悪い流れに傾いています。
まだなんとかブンデスリーガ上位につけている今が踏ん張りどころだと思います。
週末のメンヘングラートバッハ戦を越えると、ビーレフェルト、ヘルタ、シャルケと下位チームとの連戦になりますが、ここで取りこぼしがあると持ち直すのは厳しいかもしれません。
もうあとはリーグ戦に集中するだけで、控え選手も力のある選手たちなのでまた持ち前の攻撃サッカーで勝利できるのを楽しみにしています(^^♪