ドミニク・ハインツ
カイザースラウテルンの下部組織出身のドイツ人センターバック
左利きのCBであり、高いキック精度でロングボールや後方からのビルドアップにも定評がある。カバーリングにも優れていて対人戦も強く献身的な守備も魅力のひとつ。
ハインツは2018年の夏にケルンから完全移籍(移籍金は300万€で4年契約)してきました(^^♪
今でこそ中堅クラスの選手と言われるけれど、年代別ドイツ代表経験も豊富でもともと質の高いDFとして注目されていた選手です。
彼の出身地には「ノイシュタット・アン・デア・ヴァインシュトラーセ」という長ったらしい名前が書かれています(^^;)
ドイツの西南部に位置する場所で、そのほぼ真北にはマインツの町があって、ちょっと北西に車を走らせればすぐにカイザースラウテルンに行けるようなところがハインツの出身です。
ちなみにハインツより年下ですが、ナイジェリア代表DFのアクポグマ(現ハノーファー)も同じ出身地だそうです。
筆者はドイツの地理や歴史にはまったく詳しくないんですが、選手の下部組織と出身地などからそのルーツや環境を調べてみるとなかなか興味深いものがあります。
日本人は日本中どこで生まれてどこで暮らしていても貧困差はまだ少ないほうで、人々の暮らしにも極端な環境の違い(気候は別として)はそんなにないのでピンとこないと思うんですが、海外の選手は恵まれようと恵まれなかろうといろんな形でサッカー選手になっていくのでまさに多種多様です(^^♪
今後は記事を書くにあたって、できる限りでちょっとだけでもそういう部分に触れていけたらいいなと考えています。
ハインツは今季のフライブルクで3シーズン目を迎えています。
フライブルク一筋のギュンターやベテランのグルデはともかく、ハインツより3つ以上も年下のリーンハルトとシュロッターベックのほうが在籍年数は上というのは意外なもので、ハインツはDF陣の中では実はフライブルクでの年数は浅いほうなんです。
ハインツが加入する前シーズンのフライブルクはトルコ代表CBのソユンチュ(現レスター・シティ)とドイツ代表CBのコッホ(現リーズ・ユナイテッド)がCBの中心でした。
その片方のソユンチュが移籍したため、当時2部へ降格してしまったケルンからハインツを獲得しました。
キッカーの記事にも書いてあるようにやはり若いころはそれなりに注目されていたハインツなので他クラブからも声がかかっていたみたいですね。
ハインツと同期の加入選手にはGKのフレッケンとサイドアタッカーのサライがいます。
ちなみにハインツと一緒にケルンを去った選手ではビッテンコートや大迫勇也やクラウディオ・ピサーロといった最近のブレーメンにゆかりのある選手たちがいました。
ハインツは移籍初年度となった19-19シーズンのブンデスリーガで全34試合に出場するという快挙も成し遂げました(^^♪
3年目を迎えた今季もDF陣の要として重要な存在になっているのかなと思います。
今季のハインツのポジション争いについて
ハインツはずっとCBでやってきて、ボランチやSBには人材が揃っているのでコンバートされることもなくCB起用しかないと思われます。
30歳 グルデ
27歳 ハインツ
24歳 リーンハルト(オーストリア代表)
23歳 シュロッターベック
合計 4名
このポジションに新戦力はいませんが、シュロッターベックはウニオン・ベルリンへのレンタル移籍から戻ってきた選手です。
シュロッターベックというとウニオン・ベルリンのニコ・シュロッターベックのほうが知名度が高いかもしれませんが、フライブルクにいるのは兄のケヴェン・シュロッターベックのほうです(^^;)
リストの4人以外にもヘフラーとキュブラーもCBをできなくはないけど、彼らオキャリアに占める割合としてCBを経験者と呼ぶには難しいと思ったので入れませんでした。
どちらにせよヘフラーはボランチ、キュブラーはSBと明確なポジション固定があるのでCBのオプションにはならないと判断しました。
シーズン前半戦
5バックなのか4バックなのかはっきりしないこともりました。
どちらであってもあまり守備面で大きな違いを感じることは少なくて、基本的にギュンターとシュミットの両SBはだいたい高い位置にします。
ただ上の図のような5バックだと後ろは3バック気味に連動して守っていて、けっこう攻撃陣も下がってきてチーム全体での守備意識がブンデスリーガでも高めだと感じました。
ちなみに4バックのときはハインツとリーンハルトがコンビを組むことが多かったです。
前半戦の全試合にフル出場してCBの要として君臨したリーンハルトですが、たぶん彼の評価は意見が分かれるところではないでしょうか。
リーンハルトは球際や競り合いではチームでもトップクラスに強く対人勝率が高い一方で、ビルドアップではセーフティなパスはともかく攻撃の起点になるパスはあまり得意じゃないです。
スピードもないので攻守切り替えの速い試合で不安もありますが、それでも強さは保証できるので事実として今季は3得点も記録しています。
リーンハルトにとっては飛躍のシーズンになりましたが、他のCBとは違うタイプとして必要な存在だったかもしれません。
ハインツは開幕からリーンハルトとのコンビで安定して試合に出ていましたが、12月にグルデやシュロッターベックと入れ替わって年末年始はベンチになってしまいました。
そこの細かい経緯を筆者は知りませんが、シュロッターベック・リーンハルト・グルデで構成したCB陣で前半戦に5連勝と今季いちばん勢いがあった時期がありました。
攻撃で違いをもたらす選手よりもまずは守備で安定したパフォーマンスを優先させたのかと想像したりしますが実際のところわかりません。
少なくともデータの上ではリーンハルトを除くCB陣それぞれにそこまで大きな差はなかったはずです。
シーズン後半戦
引き続き攻撃陣の編成は二転三転しているので定まらないけど、最終ラインだけはだいたいこの布陣ですね。
4バックだとハインツとリーンハルトの組み合わせで5バックの時はそこにシュロッターベックが加わる傾向が強いです。
後半戦のフライブルクはやや停滞気味で思うように勝ち点を取れておらず、その要因として考えられるのが得点パターンの幅の狭さとそれに伴う守備への負担の大きさです。
前にもフライブルク関連の記事で話していますが、このチームは両SBの質の高いクロスと両サイドハーフの突破力によるサイドプレイヤーの長所を最大限活かした攻撃が武器になっています。
ところが攻めのパターンはほぼそれに極端に依存するため、サイドの攻防で主導権を失うと押し返せないという弱点がある…。
つまり、CBとボランチが起点になる配給やボールキープが弱いわけです。
そこをクリアするためにはCBがある程度ボールを足元で扱える必要があるんですが、そのスキルを持つ選手はおそらくハインツしかいません。
もしかしたらシュロッターベックもレフティで長短のパスは苦手じゃないかもしれないけど、リーンハルトとグルデにはあまりそういうプレーが期待できません。
それにハインツでさえ絶対的にパスやビルドアップが突出してるわけでなく、現状では4人とも古典的なCBに近い、守備に偏った力を持った選手であり、特性としてもバランスタイプが多いですね。
現状でリーンハルトとハインツと言う組み合わせがベストなのか、正直言って筆者にもよくわかりません(^^;)
シュトライヒ監督にとってはこのCB陣の序列は明確なのかもしれないけど、誰が入ってもおそらく大きな違いはないでしょう。
それが5バックでCBを3人選ぶとなればなおのこと誰がやっても変わらない。
結局、さっき言ったような攻撃面でのクオリティの改善を明確に示さないと、守備陣もはっきりとした意図で編成することはできないのではないか…。
おそらく今の調子ならハインツが再びスタメンからもれることはないにしろ、それでも先発が約束されているとは言い難いということです。
監督の信頼が厚いリーンハルトを固定と考えるなら、ハインツはシュロッターベックとの競争になるという見方もできます。
色々とはっきりしないことがありますが、また試合を見てCB陣がどういう違いがあるのかは探し続けてみたいと思います。
⏰ RESULTS ⏰
— UEFA Champions League (@ChampionsLeague) 2021年3月16日
⚪️ Benzema, Ramos & Asensio net as Real Madrid reach last 8
🔵 De Bruyne & Gündoğan seal quarter-finals spot for Manchester City
🤔 Who impressed you most?#UCL
CLは残念ながらライプツィヒとメンヘングラートバッハのベスト16での敗退が決まりました(>_<)
なんとかブンデスリーガのチームがすべてベスト8に進出できればと思っていたけどさすがに欲張りだったみたいです。
直近の5試合でゴールを取れたのがレヴァークーゼン戦のみのフライブルクに対して、直近の5試合で連続得点中と攻撃面で手ごたえを見せているアウグスブルクという興味深い試合です。
戦力的にも大きな差がないので予想が難しいですが、フライブルクにとっては課題が明確化できるチャンスかもしれません。