レアンドロ・バレイロ
長身ではないが対人戦に強くボール奪取を得意としており、無尽蔵のスタミナで攻守に貢献できる。パスなどチャンスメイクよりも足元でのボールさばきを得意としており、ボールを落ち着かせたりドリブルでアクションを起こす積極性を持つ。
バレイロは2018年の夏にマインツU19からトップチームへ昇格しました(^^♪
サッカーでは馴染みのないルクセンブルクという国籍を持つ珍しい選手なので少しだけ紹介したいと思います。
今はどうなのかわかりませんが、筆者が中学生のときは世界史の教科書で『ベネルクス3国』というワードが出てきます。
ベルギー・オランダ・ルクセンブルクの国土の小さい3つの国を総称してそう呼ぶんですが、地理的にも歴史的にもいろいろと関わりのある国同士ということです。
なかでもルクセンブルクは「国」と言うにはあまりに小さく、北西のベルギー、南西のフランス、残る大部分をドイツに囲まれた内陸の小さな国家です。
バレイロが生まれたエルペルダンジュという都市は人口は3000人に満たないようなほんとに小さな町です。
バレイロはそこからほぼ東にあるマインツでプロのサッカー選手としてのキャリアをスタートさせました。
エルペルダンジュからマインツまでの距離は、日本の主要駅でわかりやすく例えると東京駅から長野駅ぐらいでしたから、日本人なら「すぐそこだな」という感覚かもしれませんね(^^;)
ところで「レアンドロ・バレイロ」という名前に違和感を感じませんか?
筆者はこの名前だけを見ればポルトガル人か南米人じゃないかと真っ先に思いました。
詳細はわかりませんが、バレイロの両親はアンゴラからヨーロッパにやってきた移住民であり、アンゴラはポルトガル語圏なのでポルトガル人らしい名前なんだと思います。
さらにバレイロは英語・ドイツ語・フランス語・ポルトガル語といくつもの言語を操ることができるいわゆる『マルチリンガル』と呼ばれる類まれなスキルも持っています(^^♪
環境がそうさせたのか、バレイロが自ら習得したのかはわかりませんが、ルクセンブルクという国がどこにあるのか、バレイロがアフリカやポルトガルにルーツを持つことをここで紹介しました。
バレイロは今季のマインツで3シーズン目を迎えています(^^♪
先週にブルカルトの記事で書いたように、バレイロは時期的にブルカルトと一緒にトップチームに昇格しているので2人は同期です。
バレイロもブルカルトもU23を経ずにU19から昇格しているので飛び級昇格ですね。
ただ、バレイロのプロ入り初年度はデビュー戦以外の出場機会がなく、トップチームには帯同しながらもトレーニングやU23の試合で経験を積むといった下積みのシーズンになりました。
当時のバレイロのポジションにはラッツァとクンデだけでなく、コートジボワール代表のグバミン(現エヴァートン)がレギュラーをとっていたし、バレイロより1年先にトップチームに昇格したバク(現ヴォルフスブルク)のほうにチャンスがまわってきました。
バクはもともとマインツでデビューしてからセンターハーフやボランチとしてプレーしていて、今のヴォルフスブルクでバリバリのサイドアタッカーのような存在になってるのが筆者としては驚きです(^^;)
バレイロの2シーズン目となる昨季はグバミンの退団もあって後半戦に一気に出場機会を伸ばしましたが、バクにとっては実力と才能を証明するシーズンになったかもしれません。
ポジションが違うので比較にはなりませんが、同期のブルカルトよりもバレイロのほうがここまで順調に右肩上がりのキャリアなのかなと思いますね。
今季のバレイロのポジション争いについて
31歳 ラッツァ
27歳 コール
27歳 シュテーガー(オーストリア代表)
25歳 クンデ(カメルーン代表)
※負傷離脱:2020/12/21~2021/02/23
24歳 フェルナンデス(スイス代表)
※COVID-19:2020/08/19~2020/09/30
2021/01/08~2021/01/24
※負傷離脱:2021/02/14~2021/03/09
21歳 バレイロ(ルクセンブルク代表)
20歳 タウアー
20歳 パペラ
合計 7名⇒8名
夏にシュテーガーを新戦力に迎え入れましたが、冬にコールも加わって該当ポジションは1人増えました。
センターハーフとボランチの明確な線引きをするのが難しいですが、どちらかと言えばセンターハーフとしての特性が強い選手がほとんどだと思います。
ラッツァとシュテーガーはトップ下でのプレーが可能で、より中心となって決定機に絡んでいける選手です。
20歳のタウアーとパペラについては未だプレーを見れてないので、筆者が語れるのは2人を除いた6人ってところです(^^;)
シーズン前半戦
リヒデ監督の指揮下だった前半戦は中盤の構成がイレギュラーだったため、選手に関係なく機能してたとは言い難いです(^^;)
ボランチとしてはもちろん、キャプテンとしても信頼されるラッツァでさえも攻守でどう立ち回るべきかには悩んだはずです。
フェルナンデスが新型コロナウイルスに感染して思い切り出遅れたため、バレイロとクンデにはかなり出場機会が与えられました。
シュテーガーは複数のポジションで起用され、調子の上がらないボエティウスの代わりとして攻撃に変化をもたらすこともありました。
技術の高い選手が揃っているチームなので、下位に低迷しながらも攻撃はわりと通用して点を取れたりもしたけど、やっぱり守備の部分でボランチの力不足やカバーが足りない部分は否定できませんでした(>_<)
ちょっと質の高いアタッカーが相手になると中盤は崩され、最終ラインも簡単にこじ開けられるといった格好です。
ラッツァもバレイロも実際にはベストなチョイスでしたが、2人とも走れる選手ではあっても守備に特化した選手ではないのでバランスと連携には時間がかかるのかもしれません。
クンデとフェルナンデスのコンディションが完璧ならまだ少しは強度を保てた可能性はありました。
シーズン後半戦
スヴェンソン監督の就任で3バックになってから、ボランチの選手たちはかなり負担は減ったのではないでしょうか。
ラッツァもバレイロもオフェンスのサポートで持ち味を発揮する余裕ができたように感じています。
なんと言っても冬に加入したコールの存在はかなり大きかったですね。
負傷離脱したクンデと2度目のコロナ感染&負傷のダブルパンチを受けたフェルナンデスの離脱で薄くなったボランチの層を完璧に埋めてくれました。
経験豊富なコールと言えど、加入後すぐにレギュラー入りしてチームに溶け込んだその順応性が素晴らしいの一言で、中盤での反応速度やボール奪取力はまさにマインツが求めていた人材でした(^^♪
コールをボランチとして定位置に据えたことで、スヴェンソン監督は攻守に走力とリーダーシップを備えたラッツァをトップ下としてオプションに加えました。
トップ下では攻撃に特化したポエティウスやクアイソンがこれまで起用されていましたが、ラッツァなら守備面でも選択肢が増えるのでかなり合理的なコンバートだと思います。
むしろラッツァはボエティウスからポジションを奪いつつあり、今後もトップ下やセンターハーフと攻撃的なポジションで続けるかもしれません。
バレイロがトップ下になることもあって意図がわからないですが、おそらく足元の技術があるのでゴールに向かう姿勢を求められてるのかなと思います。
とはいえ、中盤の真ん中はボランチの2枚とトップ下で構成されるトライアングルがポジションチェンジをしているときもあるので、ラッツァやバレイロは「インサイドハーフ」というほうが正しいかもしれません。
クンデとフェルナンデスが完全に復活する気配を見せなければ、ラッツァ、バレイロ、コールの定位置が揺らぐことはないでしょう。
シュテーガーもバレイロとラッツァに負けないぐらいのチャンスメーカーで起点になれる選手ですが、おそらく出場した試合で良いパフォーマンスを見せられていないのがベンチ要員になっている原因だと思います。
あとポイントとしては、今のマインツには移籍してしまったマテタのようにパワーでゴールまで持ち込めるストライカーはいないので、より精度の高い縦パスやドリブルで相手を翻弄できる選手が優遇されると思います。
コールが中盤に安定性をもたらす選手だとすれば、チャンスメーカーとして確実に相手の脅威になれる選手が中央にいればいいなと思いますね。
How things look after 2️⃣7️⃣ #Bundesliga games played! 📊 pic.twitter.com/nu02MVsYKc
— Bundesliga English (@Bundesliga_EN) 2021年4月4日
下位同士の直接対決でお互いに勝ち点3がほしかったゲームでしたが差をつけられませんでしたね。
ビーレフェルト戦はマインツのほうに主導権があったと思いますが、スヴェンソン監督もコメントしていたように、繋ぎの部分でのスピードや精度、フィニッシュの精度が足りませんでした。
FW陣だけで点を取れるチームではないので、中盤と最終ラインも合わせて攻守にハードワークできればもっと攻撃力が増すはず。
マインツは終盤戦は相手が上位陣ばかりになるので、あと1,2試合で勝ち点をしっかり取らないと残留がかなり厳しくなります。