元アメリカ代表のレジェンドでもあるクラウディオ・レイナの息子であり、同じくアメリカ代表の攻撃的MF。
高いキック精度と巧みなボールタッチを駆使したテクニカルなドリブルが得意で、相手の視線をひきつけるようなボールさばきを見せる。ボディバランスも良く球際でも簡単に競り負けない強さも併せ持っている。
レイナは2019年の夏にドルトムントU19に入団し、2020年の冬にトップチームに昇格しました(^^♪
普通は同年代のユース選手は早くても19歳そこそこでトップチームに昇格するもので、しかも昇格してから実際に試合に出るまでもある程度は時間を要するものですが、レイナは17歳になったばかりでトップチーム昇格から公式戦デビューまで電光石火のスピードでしたね。
このドルトムント入団からデビューまでのスピード感と、レイナ自身が持つプレースタイルや国籍など多くの共通点があることから元ドルトムントの天才アタッカーと言われたアメリカ代表MFのプリシッチ(現チェルシー)を思い出します。
今のドルトムントではイングランド代表FWのサンチョが圧倒的なオーラを放っていますが、いつの時代もドルトムントには次から次へと末恐ろしい逸材が湧き出てきます(^^;)
もしサンチョがシーズン終了後に魅力的なオファーが来て移籍するという噂が現実になれば、間違いなく次はレイナがその後を継いで才能を開花させる可能性が高いと思われます。
ちなみに、現在のドルトムントU19にはユース年代のリーグ戦で19試合32得点のムココというカメルーンにルーツを持つドイツ人ストライカー(しかもまだ15歳)がおりまして、このホーランにも劣らない異常な得点力を持った化け物も近いうちに必ずトップチームに上がってくるでしょう(^^♪
レイナはまだプロサッカー選手になってほんの4カ月ほどですが、すでにサポーターだけでなく多くの人に知られています。
ドルトムントは夏にブラントやアザールといったブンデスリーガ屈指のアタッカーを補強したので、負傷者さえ出なければポジション争いも激戦区の中でレイナはトップチームに加わりました。
まず数字の上でも圧倒的な活躍を見せているサンチョをはじめ、今シーズン終了後に移籍する可能性がある選手がいます。
ホーランのようなストライカーを迎えるまでは、FWとしてもMFとしても器用にチームを引っ張ってくれたロイスでさえ、いつまでも頼りきりではまずいんです。
ドルトムントはいつもやっと良いレベルに仕上がってこれから…という選手を引き抜かれていくので、常に新しい若手にチームのコンセプトをしみこませていかないととても追いつきません。
つまりレイナは十中八九、サンチョがいなくなったあとにその後を継いでいく存在でなければいけません。
同じ年代のホーランとともに来季も台風の目になれるかどうか、ドルトムントはレイナからも目が離せませんね(^^♪
今季のレイナのポジション争いについて
ファヴレ監督は守備的にもバランスの取れた4-2-3-1を採用していましたが、これまでの負傷者や補強などのメンバーのやりくりの過程の中で3バックにシフトしたため、今では3-4-3や3-4-2-1といった形が見られるようになりました。
レイナはトップ下やウイングなど攻撃的なポジションの選手なので適性がある選手をピックアップします。
30歳 ロイス(ドイツ代表)
負傷離脱:2020/02/05~
27歳 ゲッツェ(ドイツ代表)
26歳 ラファエル・ゲレイロ(ポルトガル代表)
負傷離脱:2019/08/08~2019/08/24
26歳 トルガン・アザール(ベルギー代表)
負傷離脱:2019/08/24~2019/09/13
23歳 ブラント(ドイツ代表)
19歳 サンチョ(イングランド代表)
17歳 レイナ(アメリカ代表)
合計 7名
今季からの新戦力はアザールとブラントの2人です。
ゲレイロだけがレフティで、ブラントだけがセンターハーフやボランチとしても起用されます。
前置きしておくと、レイナは17歳の誕生日を迎えた昨年11月13日以降に出場資格を得ているので、トップチーム合流に向けてユースで試合に出場していたため前半戦はほぼメンバーとして登録されていません。
シーズン前半戦
前半戦のドルトムントは12月まで一貫して4-2-3-1を採用していましたが、開幕ダッシュには成功したほうでした。
1トップにはアルカセル(現ビジャレアル)とゲッツェが入れ替わりで担当していたので、キャプテンのロイスも本来得意としている2列目でチームの攻撃をけん引しながら積極的にゴールを狙いました。
実はここがわりと重要なポイントで、ロイスが1トップをやっていた時というのはロイスが味方からのボールを待っているような局面が多くなるんですが、2列目なら両サイドアタッカーとも連携がとりやすいのでロイス自身の選択肢が増えます。
そして両サイドには右にサンチョ、左にアザールというパターンがほぼ固定でしたが、ドルトムントにおいてロイスとサンチョとアザールはめまぐるしくポジションを入れ替えながら攻撃を展開するため、右だとか左だとかという話はあまり意味がありません(^^;)
アザールがチャンスメーカーとしてあまり器用ではないので、そこにもともと攻撃の起点になれるブラントが入った時にうまくかみ合うときれいな流れでゴールが決まることがあります。
また、開幕戦から起用された新戦力のサイドバックでシュルツが思ったよりチームにマッチしなかったうえに、守備でも技術的な連係ミスが目立ったのでレギュラーからは外れました。
その代わりにゲレイロがサイドバックを務め、のちにその高い技術と攻守での貢献度からサイドハーフに抜擢されるようになりました。
前半戦はロイス、サンチョ、アザールだけでもかなり攻撃力があったけど、やっぱりアルカセルやゲッツェじゃストライカーとしての風格がなくて「ここで中に頼もしいストライカーがいればゴールなのに…」というシーンを嫌というほど見せられましたね(^^;)
シーズン後半戦
後半戦はいよいよ3バックで始まりますが、これは守備の改革であると同時に攻撃でも変化が加わっています。
ホーラン(加入直後はロイスでしたが)を1トップにして両脇にアザールとサンチョの形は変えず、サイドハーフにハキミとゲレイロを置いたことで、攻撃開始位置が4バックのときよりグッと高くなりました。
守備は3人のセンターバックとボランチが大半を担当するため、サイドが下がりすぎることがなくなります。
そしてこれまであと一歩で得点という局面を逃していたストライカー不在の問題を、冬にザルツブルクから獲得したホーランがあっという間に解決して見せました(^^♪
最前線にモンスター級の機動力と決定力を備えたいわば『爆弾』みたいなホーランがいることで、相手DFの意識もかなりひきつけられるので、他のアタッカーにかかる負担が減るしよりスペースを活かせるようになりました。
デラネイの負傷によってボランチにコンバートされたブラントでしたが、こちらは遅れてユヴェントスから加入したエムレ・ジャンがボランチに入ることですぐに解決しました。
ホーランの加入でより破壊力が増したドルトムントですが、ウイングは変わらずサンチョとアザールがレギュラーとなっています。
サイドハーフもハキミとゲレイロが開幕時とはけた違いの評価を得ているところで、特にハキミはとても元がDFとは思えないほどの打開力でゴールに勢いよく迫ってくるし、ゲレイロはあまり中に入らないけどスキがあればミドルレンジから一瞬の動きで狙っていきます。
レイナが17歳ということは抜きにしても、この強者揃いのメンツの中で今季中に定位置を奪取するのはまず無理だと思います。
今でも少しずつ起用されるのは、やっぱり来季以降に移籍する選手を考慮して、今のうちにレイナにチームのサッカーになじんでもらいたいからだと思われます。
レイナのスタイルをざっくり言うと、ブラントとロイスを足して割ったような選手と言えるので、3-4-3というシステムの中なら右ウイングか、いっそブラントのようにボランチでもできてしまうだろうなと筆者は考えています。
サンチョは今季は絶対に代えられないので、レイナのライバルとしてあげるとするならアザールとブラントとロイスになると思います。
視点を変えると例えば鋭いクロスを出せる選手はたくさんいるけど、柔らかくて精度の高いパスはこのチームじゃフンメルスとブラントぐらいしか扱えないので、レイナはそこの技術はしっかりしてるからひとつ有利な強みではあると思うんです。
ファブレ監督としても今後はホーランを含めどういう構成がいちばんいいのか見極めていくうえで、それぞれの持つ特徴が決め手になるのは間違いないですね。
この週末のブンデスリーガはほんの数時間前までは開催予定だったデュッセルドルフvsパーダーボルンも急きょ中止し、しばらくの間ブンデスリーガの中断が決定しました。
新型コロナウイルスの影響は特にヨーロッパが深刻な状況で、先週からついにセリエAなどで選手の感染が相次いでいます。
ブンデスリーガでも2部のハノーファーの選手や、つい先日にはパーダーボルンのキリアンが初の1部での感染者となりました。
国内外で拡がりを見せる新型コロナウイルスですが、一日も早く収束してすべての人が日常を取り戻せるように願っています。