トルガン・アザール
フランスのRCランスの下部組織出身でベルギー代表の攻撃的MF
細かなタッチとアジリティを活かしたテクニカルなドリブラーで、サイドアタッカーとも言えるがピッチを縦横無尽に動き回って積極的に連携に絡む。キック精度が高くパス・シュートともに得意とするが、ゴール前に顔を出すよりも2列目からアクションを起こすほうが圧倒的に多い。点取り屋の素質はじゅうぶんにあるものの、視野が広く選択肢も多いうえに機転が利くためアシスト能力のほうが優れている。
アザールは2019年の夏にメンヘングラートバッハから完全移籍(移籍金は2550万€で5年契約)してきました(^^♪
トルガンは言わずと知れたベルギー代表のエデン・アザール(現レアル・マドリード)の弟です。
筆者はエデンのほうはフランスのリール時代からバリバリの活躍を見せていたので知っていましたが、トルガンのほうはメンヘングラートバッハ時代から知った選手でした。
なのでトルガンもそもそもフランスでキャリアをスタートしたことや、ベルギーでプレーの前にチェルシーにいたことさえ知らなかったんです(^^;)
ただ、トルガンがやってきたメンヘングラートバッハというのは強くていい時代をおくっていたときでしたね。
今では会話で「アザール」の名前を出せば誰もがエデンのことだと思うのかなぁと思いながら、でも筆者はずっとドイツに来てからのトルガンのファンだったわけで、自分にとってアザールはどちらかと言うとトルガンのほうという想いもあり、なのでここからの「アザール」はすべてトルガンのことととらえて読んでもらえると助かります(^^;)
YouTubeでも見つけた上の動画を見てわかるかもしれませんが、アザールはドルトムントにいる今とメンヘングラートバッハにいた過去とで微妙にスタイルが違いますね。
大きくは違わないと思いますが、やっぱりメンヘングラートバッハ時代のほうが少し「一発かましてやろうか」「こいつを抜き去ってやろうか」みたいな対人戦に対して闘志を感じさせるプレーがありましたね。
今はたぶん経験を重ねて落ち着いたんだと思うし、周りの選手のレベルも高くてあまり必死になることもなくなったというか、器用なタイプなのでチームのスタイルにすっかり溶け込んでる感じですね。
年齢的に熟してくる時期にきてますけど、レアルで思うようにいかずくすぶってるエデンよりこれから脚光を浴びる可能性がじゅうぶんにありますよ(^^♪
アザールは今季のドルトムントで2シーズン目を迎えています(^^♪
ブラントやシュルツもほぼアザールと同額でドルトムントに移籍してきました。
プリシッチ(現チェルシー)をはじめ香川真司(無所属)など複数のアタッカーが移籍してしまったため、即戦力としてブンデスリーガで戦うライバルチームから何人かの選手を獲得した形です。
ドルトムントは特にサンチョが飛躍を遂げるシーズンになったわけですが、ゲッツェ(現PSV)に対してはあてが外れてしまったり、ロイスとアルカセル(現ビジャレアル)は怪我で離脱したり、攻撃陣のやりくりには苦労を強いられたシーズンでした。
冬にホーランという救世主を獲得できてなかったらどこまで順位を落としていたかわかりません(^^;)
アザールはそんなドルトムントのアタッカー不足問題を支えてくれた一人でもあります。
一方でアザールの移籍元のメンヘングラートバッハはアザールの移籍金をもとに積極的な補強もしました。
エンボロ、テュラム、ライナー、ベンセバイニといった今の主力選手たちがアザールと入れ替わりでメンヘングラートバッハに加入しました。
もともと堅実なメンヘングラートバッハにとってアザールは貴重な得点源だったと思いますが、結果的にエンボロとテュラムはその代わりとしてふさわしい活躍を見せています。
今季のアザールのポジション争いについて
アザールは攻撃的なポジションをすべてこなすことができます。
ドルトムントでは3トップのウイング、2シャドー、両サイドハーフ、トップ下、わずかながら1トップなどいろいろな起用をされてきました。
昨季は4バックと3バックを併用していた時期があって統計的には両ウイングをやる回数が多かったんですが、今季のドルトムントが3バックで1トップ2シャドーなので2列目の選手とFW、つまりオフェンスのほぼ全員がポジション争いの対象になると思われます。
31歳 ロイス(ドイツ代表)
27歳 アザール(ベルギー代表)
負傷離脱:2010/09/20~
24歳 ブラント(ドイツ代表)
22歳 パスラック
20歳 サンチョ(イングランド代表)
20歳 ホーラン(ノルウェー代表)
18歳 レイニエル
17歳 レイナ(アメリカ代表)
合計 8名
ベテランと言えるのはロイスぐらいなのに、こうやって並べるとアザールもベテランに思えるぐらい平均年齢が若い(^^;)
レイナとブラントはボランチやインサイドハーフのポジションもこなせるし、ホーランとロイスがストライカーとして最前線でプレーできるタイプです。
パスラックは攻守問わずセンターバック以外ならどのポジションでもやれてしまうユーティリティプレイヤーですね。
ただ、ドルトムントが3-4-2-1をベースとしているなら両WBはアザールはほぼやらないと思うので、ここからの話はあくまで1トップ2シャドーに当てはめてフォーカスすることになります。
基本的にはアザールがプレーするとしたらレイナとサンチョの位置になります。
1トップのホーランを後ろでサポートしつつ、左右前後に流れて流動的にポジションを変える立ち位置で、ゲームメイクにも重要で突破力と得点力も求められます。
昨季ブレイクしたレイナはプレシーズンマッチから異彩を放っていて、サンチョと同じく若くしてすでに主力として認められる存在になっています。
アザールは実は昨季の背番号は『23』だったのを今季は『10』に変更しました。
単にアザールはメンヘングラートバッハ時代に着けていた『10』をゲッツェの退団で空いたために志願したものでしょうし、さらに昨季着けていた『23』はジャンが馴染みの番号だったのでそのまま譲ったというところでしょうか(^^;)
このフォーメーションだと2シャドーのレイナとサンチョをどうしても外せないまでになってしまったことから、アザールの出場機会が減るのではと心配もしています。
ところが、アザールは開幕戦で早くに負傷交代を余儀なくされていて、その後数週間の離脱になる見込みだと発表されました(>_<)
その開幕戦でアザールが先発したのが実は左WBだったんです。
でもそれはゲレイロが筋肉系のトラブルで欠場したからで、決してアザールをWBにコンバートしたわけではないと思っています。
ただ、ゲレイロが不在の場合はアザールがチームの中で最も左WBに適任ということでオプションになっていることはわかりました。
2シャドーで起用する場合、レイナとサンチョだけでなくロイスとブラントもライバルとなるためかなりの激戦区です。
ホーランというエースが定着した今季のドルトムントでは、中盤から素早くパスを引き出して独力で最終ラインを揺さぶり翻弄するのが2シャドーの役割だと思います。
サンチョはもともとドリブルからのパスとシュートのキレも鋭いけど、レイナに関してはドリブルだけでなくボランチに近い位置からでも長短のパスを扱える優秀さが他の選手との差別化になっています。
おそらくサンチョとレイナの性質のだいたい中間にいるのがアザールとブラントだと思ってもらっていいでしょう。
みんなそれぞれ連係プレーが得意でアシスト能力が高く自分で決める力をしっかり持っている。
ロイスだけは少し独特な選手で、彼はもとから中盤の選手でもかぎりなくFWに近い選手ですね。
他の選手が突破力に優れているのに対してロイスはキープ力があるし、ドルトムントでは貴重なポストプレイヤーとも言えます。
ドルトムントのサッカーが苦戦を強いられて局面を打開できないとき、あるいは劣勢に立たされたとき、ロイスのような選手がゴール前に入ると相手にとっては嫌なものです。
そういう試合では交代選手としてロイスが重宝されるかもしれません。
アザールが怪我から復帰したときに2シャドーの関係性がどう変わるのかはまだまだ見ていかないとわかりませんけどね(^^;)
個人的にはサンチョだけが固定で、レイナ、アザール、ブラント、ロイスはフラットな関係性じゃないかと予想しています。
1トップでセンターフォワードの場合、まず間違いなくホーランがファーストチョイスでロイスが2番手と思われます。
もしアザールが1トップをやるとしたら、その2人にアクシデントがあったときに限られるとは思いますが…。
ファヴレ監督はたまにトップを置かない事実上の0トップ戦略を使うことがあり、そのときに例えばアザールやブラントをフェイク的に最前線に置く可能性があるんです。
ただこれは滅多にないことなので、まだ2トップにしたときにホーランとアザールが組むほうが現実的なぐらい。
結局触れてなかったけど、レイニエルとパスラックはサイドアタッカーなので起用されるならやっぱりWBなのかなと思いますね。
サンチョやレイナの例もあるからレイニエルもいついきなりデビューして勢いに乗るかわからないですよね。
アザールはまだ今夜の試合には間に合わない見込みだそうです。
さらにアカンジが新型コロナウイルスで陽性反応が出ており自宅療養中、ザガドゥとシュルツとシュメルツァーもそれぞれ怪我の関係で欠場とのことです。
代表ウィーク明けということも考慮すると、守備陣を中心としたメンバー編成はかなり悩ましいところです(>_<)
モレイかムニエが3バックに入るとされる説があれば、一時的に4バックにしてCBを2人にするという説も。
アウェイでしかも成績で並ぶホッフェンハイムを相手にするので、生半可なDFラインでは抑えられないでしょう。
ファヴレ監督の采配に期待しながら今夜の試合を観たいと思います(^^♪