イブラヒマ・トラオレ
フランス生まれでギニア人の両親をもつギニア代表サイドアタッカー
俊敏性とスピードを活かしたキレ鋭いドリブルが特徴で、左利きでありボールコントールにも優れていて、アーリークロスも得意としている。
トラオレは2014年の夏にシュツットガルトとの契約を満了し、メンヘングラートバッハに完全移籍で加入しました(^^♪
19歳でフランスからドイツ入りしたトラオレにとっては順番にヘルタ、アウグスブルク、シュツットガルト、そしてメンヘングラートバッハがドイツでの4クラブ目になりました。
サッカー選手としてのフランスでのキャリアはないに等しく、ドイツでもう12年もやっているので、ヨーロッパ各地でプレーしているアフリカ系フランス人にしては珍しいキャリアをおくっていると思います(^^;)
トラオレはシュツットガルト時代から見ていて、これは大化けするかもしれないすごいサイドアタッカーが出たなと当時の筆者は絶賛していたんですが、ことメンヘングラートバッハに来てからは度重なる怪我のせいでコンスタントな活躍ができていません(>_<)
それさえなければトラオレは同年代アフリカ人選手の中でもトップクラスのポテンシャルを秘めていたと思うのに、怪我でモヤモヤしてるうちに気づけばベテランの域に達してしまいました。
ちなみに元ライプツィヒのナビ・ケイタ(現リヴァプール)も同じくギニア代表選手で、トラオレと違ってケイタは生まれも育ちもギニアです。
トラオレは今季のメンヘングラートバッハで7シーズン目を迎えています。
移籍したばかりのころの初々しいプレーが印象的だったので、今ではチーム屈指の古株ということに驚きです(^^;)
今のチームメイトには同期加入のスイス代表GKのゾマーとアメリカ代表MFのジョンソンがいます。
のちにメンヘングラートバッハで大きく飛躍することになったベルギー代表FWのトルガン・アザール(現ドルトムント)もトラオレと同期加入でしたね。
逆にトラオレと入れ替わりでチームを去った選手ではドイツ代表GKのテア・シュテーゲン(現バルセロナ)がいます。
トラオレを含め、アザールやジョンソンら軒並みサイドアタッカーを中心に補強した理由は、当時ですでにベテランだった元ベネズエラ代表FWのアランゴを筆頭にほとんどのサイドアタッカーがチームを去ったためで、残ったサイドアタッカーはヘアマンだけでした。
自分が知っていたメンヘングラートバッハはもともと屈強なストライカーと有能なパサーで攻撃が成り立っていたと思うんですが、この時代からメンヘングラートバッハもサイドに少し重点を置くようになっていったと思うんです。
今でこそ怪我であまり出られていないトラオレですが、移籍初年度から積極的に持ち味を発揮して、存在感を示すのに実際にそれほど時間はかからなかったです。
とにかく俊敏で素早くて動きがとらえにくいトラオレですが、だからこそプレーに体がついていけてなくて怪我しやすい体質になったのかなと思います。
今季のトラオレのポジション争いについて
ローゼ監督はほとんど4-3-3か4-2-3-1を採用しています。
トラオレはレフティですが、特に左右関係なくプレーできるので両ウイングと両サイドハーフで起用されます。
32歳 ジョンソン(アメリカ代表)
負傷離脱:2019/09/14~2019/11/11
31歳 トラオレ(ギニア代表)
負傷離脱:2019/09/20~2019/10/29
2019/11/29~2019/12/31
29歳 ヘアマン
27歳 ホフマン
負傷離脱:2019/08/10~2019/10/15
23歳 エンボロ(スイス代表)
負傷離脱:2019/10/28~2019/11/20
22歳 テュラム
21歳 ベネッツ
負傷離脱:2019/09/15~2019/11/11
合計 7名
この中ではホフマンだけが純粋なセントラルプレイヤーですが、中盤ではどこでもこなせる汎用性の高さがあって実際にサイドでも起用されるのでリストに入れました。
ジョンソンもどちらかというと守備に定評がある選手で、サイドバックやボランチのほうが多いですが入れています。
この2人以外はドリブラーというまとめ方ができますが、エンボロはフィジカルの強さを兼ね備えたストライカーなので中盤のサイドはやらないですね。
シーズン前半戦
実はメンヘングラートバッハのローゼ監督は、新戦力のテュラムとエンボロを使いたいために開幕から1カ月以上にわたって2トップを採用していました。
プレアとテュラムというフィジカルモンスターを2人置いて、2列目のエンボロが果敢に動いてこの3人のパワーでゴールをこじ開けようというやり方でした。
中盤のインサイドに3人がフラットに並び、攻撃のサポートは主にセンターのノイハウスのチャンスメイク、両サイドバックの攻撃参加に委ねられていたので、当初のチームにはサイドハーフという概念が存在していませんでした。
ボランチのクラマーとザカリアがしっかりボールを奪ってさえくれたら、あとは前線の3人が独力とスピードでゴールをもぎ取ってくれると思ったからです。
でも2トップだと思った以上に選手が中央に偏ってしまって幅を使った攻撃ができていなくて、迫力があっても効率が悪いので3トップにシフトしました。
連携面で特に苦労していたテュラムも少しずつ周りが見えるようになってきて、エンボロが離脱中はチャンスメイクもシュートも選択肢が広いヘアマンがウイングとして存在感を発揮してくれました。
秋に長期離脱から復帰したキャプテンのシュティンドルもフル出場こそしないものの、彼も優れた得点感覚やゴールへの嗅覚を持った選手なので、試合の終盤に出てくると疲れた相手にとっては厄介な存在でしたね。
前半戦においてはトップにプレアかエンボロを、両ウイングにテュラムとヘアマンを配置した形が多彩な攻撃ができていちばんしっくりくるように感じました。
ただリストを見てのとおりヘアマンとテュラム以外はほぼどこかで離脱しているので、果たしてローゼ監督の本当の理想とするメンバーがどういう構成なのかは誰にもわからないんですけどね(^^;)
シーズン後半戦
ローゼ監督は前半戦の4-3-3をいったんやめて、後半戦からは3バックだったり、バランスを重視した4-2-3-1を使うようになりました。
特に大きかった変化はシュティンドルが2列目で先発するようになったことで、それに伴って1トップの選手もプレアとエンボロだけでなくテュラムも選択肢になったし、サイドやウイングではホフマンもプレーするようになっています。
もともとメンヘングラートバッハは守備には手ごたえもあったし評判も高いので、ローゼ監督はより攻撃陣にクオリティを求めてる気がします。
まず、トラオレを含め今年に入ってサイドの選手がだいたい復帰して揃ったので、もともとセンターハーフのジョンソンは攻撃的なサイドはもうやらないはず。
ホフマンのウイング起用だけが一時的なものなのかがわからず、それによってサイドの選手たちにとってはポジション争いが激化します。
現状で1トップで最も力を発揮できるのはエンボロとプレアで、ポストプレーだけでなくエリア内にいるだけで相手に警戒心を抱かせることができます。
テュラムはフィジカル的な選手なのにそこまでゴールに執着してなくて、シュティンドルのように周囲の状況を見ながらパスやシュートを使い分けるセンスを持っています。
テュラムが多く担当するのは左サイドで、ここは試合の中でもトップの選手とポジションを入れ替えてやっていくと思います。
トラオレが出るとしたら可能性が高いのが右サイドで、こちらには主にヘアマンとホフマンがライバルになります。
4-2-3-1だと運動量も豊富でキック精度の高いホフマンは器用な役割がこなせて、空いたスペースに入っていざというときはセンタープレイヤーらしさも発揮するので、突破力のトラオレより勢いはなくても汎用性の面でホフマンは重宝されるかもしれません。
4-3-3だとヘアマンがドリブルだけでなくオフザボールの動きが良くて、ボールを持てばチャンスメイクもできて高い決定力もあるので、トラオレにとっては経験値やチームプレーの精度でヘアマンにはかなわないかもしれません。
もしシュティンドルとホフマンの起用がなければトラオレも少なからずコンディション次第で出番をもらえると思ったんですが、今のローゼ監督の采配だとトラオレが定位置につくのは考えにくい状況です(>_<)
でもトラオレのスピードだったりドリブルスキルはリスト中でもトップと言えるレベルなので、プレアやエンボロみたいな屈強なタイプと対照的なタイプがいたら攻撃のオプションとしてはいいのになと個人的には思っています。
今季残りの試合ではおそらくトラオレはスーパーサブとして途中出場にとどまることが予想されますが、今後に向けて少しでも試合に出られるよう願っています。
トラオレのTwitter
Nicht das Resultat, das wir verdient gehabt hätten.🙁 #BMGBVB pic.twitter.com/k4U1LfWMyL
— Borussia (@borussia) 2020年3月7日
終わったばかりのドルトムントとの上位対決は惜しくも負けてしまいました。
プレースピードの差だったり、フィニッシュの精度だったり細かな部分で差がついたかなと思いますが、ローゼ監督の変則的なシステム変更はハマると強いけど空振りするとさっぱりですね(^^;)
左サイドのベンセバイニが後半途中から冷静さとやる気を欠いた感じが見えてたので少し残念でした。
ただこれでメンヘングラートバッハは首位のバイエルンと(おそらく明日の試合は勝つので)勝ち点9差にまで広がってしまいます。
優勝争いは厳しくなったけど、まだバイエルンとの直接対決も残しているのでここからの追い上げは可能だとも思っています。