「ロケットのようだ」と言われるほどに急激な加速からのドリブルが得意で、圧巻のアジリティでわずかなコースもとらえる高いシュート精度を誇っている。基本的にウインガータイプであるがボックス内のプレーも苦手とせず、ボールを受けるポジショニングやキープ力にも長けている。
ラシツァは2018年の冬にフィテッセから移籍(移籍金は700万€で4年半契約)してきました(^^♪
オランダでコンスタントに活躍する選手、特にFWで得点数が伸びている選手はよく他のリーグに引き抜かれます。
今のフランクフルトのドストやヴォルフスブルクのヴェフホルストはオランダのトップリーグで50得点以上をたたき出して無双したストライカーたちです。
さてところでラシツァが代表でもプレーするコソボという国家、もともとはセルビアのような旧ユーゴスラヴィアから分裂した国だそうですが、正直言ってサッカーではあまりなじみがありません(^^;)
コソボと言われても書いている間にパッと思い浮かぶチームも選手もいなくて、これはさすがにググらないとわからないなと…。
ヨーロッパの主要リーグでプレーするコソボ人ならほぼ代表選手なんだろうと代表選手から調べてみて、知ってる選手はだれかいないものかと見てみました。
シャルケ生え抜きの選手だったアヴディヤイ(現トラブゾンスポル)、インゴルシュタットが1部にいたときによく見ていたハデルギョナイ(現ハダースフィールド)、ハノーファーが1部にいたときにサイドアタッカーとしてプレーしてたムスリヤ、といった選手たちがヒットしましたが、やっぱり筆者はブンデスリーガ中心に見てるのでドイツにいた選手しかわかりませんね(^^;)
特にアヴディヤイはドリブラーとして早々にシャルケで結果を出していたので、ドラクスラー(現PSG)やレロイ・サネ(現マンチェスター・シティ)のようにメキメキとステップアップしていく才能があるなぁと思っていたのになかなかメジャーなクラブにいかなくて残念です(>_<)
ラシツァもまだ23歳と若くて、ブレーメンで終わらずこれから間違いなくステップアップしていく選手だと思うので、最も有名なコソボ人選手になることを期待しています。
ラシツァは今季のブレーメンで3シーズン目を迎えています。
kickerの記事ではバルテルスが負傷離脱したためにラシツァを補強したように見えますが、実際はちょっとニュアンスが違う気がします(^^;)
当時のブレーメンはエースストライカーの元ドイツ代表のクルーゼ(現フェネルバフチェ)の得点力に対する依存度が高くて、他にまともに点が取れるFWがいませんでした。
アロン・ヨハンソン(現ハンマルビー)やベルフォディル(現ホッフェンハイム)といった実力者がじゅうぶんな結果を残せず、まだルーキーだったヨハネス・エッゲシュタインもチャンスを活かせず、さらにハイロヴィッチ(現ディナモ・ザグレブ)はラシツァと入れ替わりで退団してしまいました。
このシーズンは結局、2桁得点のクルーゼの活躍と、中盤のカインツ(現ケルン)やデラネイ(現ドルトムント)の頑張りがなかったら、ブレーメンは降格していたかもしれません。
ブレーメンはそんな攻撃力不足の中でゴールへ向かう推進力を持ったアタッカーの存在は必要だったわけで、なにもバルテルスの離脱だけによらず、チームの抱える問題を打破するためにラシツァを獲得したと言っても過言ではないと思います。
一方でそもそもそのシーズンにラシツァがレギュラーとして活躍中だったフィテッセは、シーズン中に引き抜かれたラシツァの穴埋めとしてヘルタでもプレーしていた元オランダ代表のベーレンスをレディングから補強しています。
残念ながらベーレンスがラシツァの代わりにゴールを量産することはなくて、フィテッセにとっては少し痛い戦力ダウンでしたが、結局リンセンやマタヴジュの活躍で乗り切ってしまいました。
今季のラシツァのポジション争いについて
相変わらずコーフェルト監督のスターティングフォーメーションはバラバラで一貫性がありません(^^;)
FWの起用に関しても1トップから3トップまですべての可能性がありますが、割合で言えば4-3-3が一番多いのかなと思います。
ラシツァは主に左ウイングでプレーしますが、スペースがあろうとなかろうとどん欲にゴールへ向かっていくので前線ならどこでもやれます。
41歳 クラウディオ・ピサーロ(元ペルー代表)
32歳 バルテルス
負傷離脱:2019/08/02~2019/12/09
29歳 大迫 勇也(日本代表)
負傷離脱:2019/09/18~2019/10/21
26歳 フュルクルク
負傷離脱:2019/09/20~
26歳 ビッテンコート
23歳 ラシツァ(コソボ代表)
負傷離脱:2019/08/18~2019/09/15
21歳 ヨハネス・エッゲシュタイン
21歳 ゴラー
負傷離脱:2019/05/25~2019/09/09
20歳 ストラウディ
19歳 サージェント(アメリカ代表)
負傷離脱:2019/12/04~
19歳 イホルスト
19歳 ダヴィド・フィリップ
合計 12名
本職が中盤の選手も数人含んでいますが、FWとして起用される選手をすべて並べるとこれだけの人数になってしまいます(^^;)
この中でセンターフォワードと呼べるのはピサーロと大迫とフュルクルクぐらいで、あとはウイングや2列目がメインポジションの選手たちです。
シーズン前半戦
ラシツァは開幕戦後にいきなり負傷離脱となり、FW陣では主に1トップのフュルクルクがいいスタートをきりました。
サージェントがラシツァの代役を務めたと思いますが、サージェントのフレッシュなプレーもそこそこ評価は良かったはずです。
大迫がトップ下で起用されたりといったところは疑問を感じましたね(^^;)
ラシツァの復帰と同じころにその大迫が負傷すると、大迫の代わりに起用されたのがビッテンコートでしたが、これが当初ははっきり言ってなかなか機能しませんでした。
開幕から主にウイングや2列目で出番をもらえていたヨハネス・エッゲシュタインもなかなかゴールが奪えないことでちょっとずつ出場機会が減っていきました。
同じように若手のゴラーにチャンスを与えてみるも、こちらもゴールが奪えずFWとしてのインパクトは残せず…。
秋ごろからラシツァと大迫がようやく揃うと、この2人の2トップやビッテンコートを加えた3トップが安定してくるも、主に守備面で大きな課題に直面してチームのチャンス自体が減少していきます。
シーズン前半戦は安定した得点源がラシツァぐらいで、怪我やコンディション不良で悩むフュルクルクとサージェントが万全だったらもう少しやれた気がしました。
大迫やピサーロも一人でボールを持ってゴールに向かうタイプでもないのでまわりのサポートはほしいところです。
シーズン後半戦
降格圏で折り返しても、ブレーメンはあくまでコーフェルト監督でやりきるつもりと見えます。
コーフェルト監督は決して戦術家とは言えず、一貫したフォーメーションと選手起用が見えてこないので予想するのも難しいです。
1トップを採用するなら、フュルクルクが戻ってこない限りは大迫がファーストチョイスになると思うし、終盤にスーパーサブとしてピサーロが登場するのが望ましいです。
コーフェルト監督はあまり4-2-3-1みたいな形は使わないけど、現状の守備を安定させるならこのシンプルな形がいちばんまとまりやすいはずなんです。
2トップだと大迫とラシツァになりますが、一見して攻撃力がありそうに見えて意外とそうでもないです(^^;)
むしろ2トップにするならラシツァとサージェントのほうが連携はいいような気がするときもあります。
3トップだと左ウイングにラシツァは必ず固定され、トップに大迫かサージェント、右ウイングにはヨハネス・エッゲシュタインかビッテンコートを中心にゴラーやバルテルスが候補に入ります。
たぶん監督の理想は3トップだと思いますが、他のチームもラシツァが得点源なのがわかってるので後半戦は右ウイングもはっきりとした脅威を示さないと、このままいくとラシツァをおさえられたら点が取れないチームになってしまいます。
FW起用だと特に違いを生み出すのが難しいビッテンコートがなぜ重宝されているのかわかりませんが、できれば右ウイングはヨハネス・エッゲシュタインかゴラーあたりに任せたいところです。
フュルクルクやサージェントの復帰がいつになるかによってポジション争いも大きく変わりますが、現状でブレーメンで頼れるストライカーがラシツァと大迫なのは間違いありません。
後半戦にそれ以外の選手が挽回できるかどうかがポイントになりそうですね。
守備陣のパフォーマンスの問題を抱えているブレーメンは、この冬にテコ入れとしてセンターバックの補強の話が出ていました。
ですがサウサンプトンのヴェステルゴーアはわざわざこのタイミングで降格圏のブレーメンを選ぶことはないだろうと、一説によればすでにサウサンプトン側から断りを入れられたとも…。
さらにラシツァにもドルトムント行きなどの噂はあったものの、ザルツブルクから期待の怪物と称されるホランドを獲得したドルトムント行きは少なくとも今はなさそうです。
もし万が一ラシツァを冬に失うようなことがあればいよいよ降格が現実味を帯びてくるのでそれだけはないといいなと願っています。